ゴルフのスイングってこんなに変わったの!?今までの常識を覆す「曲がらず飛ばせるスイング」教えます!

スポーツ・科学

公開日:2020/4/1

『自分史上最高の飛距離が手に入るスイング』(藤本敏雪/KADOKAWA)

“体重移動しろ”
“胸を開くな”
“ヒザを動かすな”
“腕を返せ”

 ゴルフをやっている人であれば、一度は聞いたことあるフレーズだと思う。それはひと昔前のスイングで、世界で戦っているトッププロたちの最新のスイングは、そのセオリーとはまるで逆だということをご存知だろうか。

 世界のトップインストラクターのひとり、ジョージ・ガンカスと出会い、欧米最新のゴルフスイング理論を日本人で唯一直接指導を受けたツアープロコーチ、フジモンティこと、藤本敏雪さんはその件についてこう話している。

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 ゴルフって、思いどおりに上達しませんよね。僕も、悩んだから分かります。練習しても練習しても、思いどおりに飛ばせなくて本当に悔しい。

 ある日、ドライバーを持ってアドレスしたとき、そこから動き出すことができなくなってしまいました。何のイメージもわかず、どうクラブを上げればいいかさえ分からなくなり、頭が真っ白になって体もガチガチに固まって動かない……。

 それまで、ほとんど独学でスイングを身につけて、学生の大会などでも成績を挙げてきました。それからゴルフコーチになったのですが、当時の理論を学んだり、指導を受けてから、まったくうまくいかなくなってしまったんです。

 そんな時、インスタグラムで海外のゴルフレッスンを見ている中で、ジョージ・ガンカス コーチの動画に行きあたりました。1人のゴルファーに対して3人がかりで「1人は頭を押さえ、1人は腰を持って動かし、1人はクラブを動かす」という感じで、熱いハートで正しい動きを体に覚えさせるレッスンでした。「こんな教え方があるのか!」と感心して、僕はこの人の動画にのめり込んでいきました。するとだんだん見えてきたんです。このコーチが言っているのは、

“体重移動しようと思うな”
“胸は開け”
“ヒザは開く”
“腕は返すな”

 今までのセオリーとは、まるで逆です。「え、すごいな、この理論。こんな新しいこと、さぞや注目されているんだろうな」と思ったのですが、アメリカではぜんぜんたいしたことないんです。なぜなら、これすべて欧米では常識になっていることだったからです。つまり、世界で戦っているトッププロたちのスイングが、この理論だったのです


 藤本さんいわく、そのスイングはアマチュアでも初心者でも、ボールを3万球も打てても打てなくても、身体能力が高くてもそれほどでもなくても、運動神経があってもなくても、仕組みを理解して取り組めば、実行できるもの、だという。

 そんな現代のスイング理論について、藤本敏雪さんが解説するゴルフ実用書『自分史上最高の飛距離が手に入るスイング』(KADOKAWA)では、「ゴルフってこんなに変わったの!?」と思わず言ってしまうような、スイング進化論について詳しく解説されている。その一部をここでご紹介しよう。


体の動きを止めるのはもう古い! 回転力で振っていく

 ひと昔前のスイングは「体の回転で打とう。でも回しすぎて開くのはNGだよ」「フェースは開いて閉じる。でも手で返しすぎるのはNG」など、何となくイメージしづらく、分からないことだらけでした。その中間の「良い感じの回転、良い感じの返し」をつかむのが難しいのは、当たり前なのです。体の回転でいえば、開きすぎないように、胸を右に向けたままダウンスイングするといわれてきましたが、そのために動きを「止める」のは窮屈でした。しかし、最新スイングはそれを解決しているため、どんどん体を回して打てるのです。


体重移動はしないで! 両足で地面を踏もう

 以前は右から左の体重移動でエネルギーを作っていた…。体重を右から左に移しながら打とうとすると、ヒザの高さを変えてはいけないなど制限がでてきてしまう。

 最新スイングはその場で回る。回転が大きくなるうえ、両足で地面を強く踏めるから、その跳ね返りを使ってより強く回転できる。体重移動はしないで、両足で地面を踏むほうが大きなエネルギーが生まれる。

ボールを引っぱたいてはダメ! フェースの向きは変えない

 手を使ってクラブを返すようにボールを引っぱたいていませんか? 両腕をクロスさせて引っぱたくように打つと、フェースの向きが安定しないので打球がばらけてしまいます。

 最新のスイングは、手と体を一体化させてフェースの向きはそのまま打つ。フェースをターゲットに向けた状態で構えたら、あとは体を回すだけ。構えた状態に自然とクラブが戻ってくるからまっすぐ飛ぶのです。


 良いスコアを挙げるためには、狙いどおりの方向や球筋で、十分な飛距離を出すこと。そしてそれをミスなくいつも同じように繰り返すこと。加えて、体への負担が軽くてケガの原因にならないことが大切。それらの条件をクリアするのが、現代のスイング理論。そのスイングを初めて試したとき、きっとあなたは「え? なんだ、この強い打球は!」と驚くに違いない。

【著者プロフィール】
藤本敏雪(ふじもととしゆき)
1982年7月9日生まれ。京都市出身。15歳からゴルフを始め、京都学園高校ゴルフ部で全国大会に出場、京都産業大学ゴルフ部では主将を務め、3年連続京都代表として国体に出場した。2008年にレッスン活動をスタート。「コースで自分のスイングが“ 教科書=手本”となるように」の思いが高じてスイングに悩むが、世界のトップインストラクターの1人、ジョージ・ガンカスに出会い、ピヴォットターン・スイングの理論を極める。現在、ゴルフ専門誌、Webサイトなど多様なメディアに出演しながら、ツアープロから一般アマチュアまで幅広く直接指導している。連絡はinstagramアカウント@fujimonti