あなたの疲れの6割は「ムダな努力」のせいかも。今が自分の仕事を棚卸しするいい機会!

ビジネス

公開日:2020/4/17

『しなくていい努力 日々の仕事の6割はムダだった!』(堀田孝治/集英社)

 努力は報われる――と、頑張って仕事に取り組んでいるけれど、努力がまったく結果に表れない。
 
「自分はきっとダメ人間なんだ…」
「いやいや、上司や会社、取引先がダメなのかも!」
 こうやって卑屈になったり、周囲に責任転嫁したりしてないだろうか? もしかしたら思うような成果が出ないのは“しなくてもいい努力”をしているからかもしれない。
 
 例えば、プロ野球選手になりたいのにサッカーボールでPKの練習をするのは、いわばムダな努力。弁護士になりたいのに天文学の書籍を読みあさるのもムダな努力だ。つまり、正しい結果を導くためには正しいベクトルで努力をしなければいけない。
 
「そんなこと言われなくても、自分がムダな努力をしていたら分かるでしょ?」
 と考えていたら要注意。この思い込みこそが、成果を上げるための最大の難関。まずは思い込みを一度横に置いて、『しなくていい努力 日々の仕事の6割はムダだった!』(堀田孝治/集英社)を読んでみてほしい。

 ついやってしまいがちなムダな努力の数々が紹介されているので、「あ、自分もやってたな…」という行動がちらほらあるはずだ。本書に掲載されているムダな努力の一部を紹介。ぜひ、自分の日々の頑張りと照らし合わせてほしい。

「忘れない」ために手帳を使うのはムダな努力

 スケジュール管理のために手帳を使っている人は多いはず。しかし、正しく手帳を使わないと、手帳を使うこと自体がムダな努力になってしまうことも。

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 手帳はどのように使うべきなのか。本書によれば、デキるビジネスパーソンは「忘れるため」に手帳を使うそう。例えば、「〇日に△社と会議」と書くだけでなく、

「〇日、資料作りのデータ収集」
「〇日、資料の作成」
「〇日、上司に資料をチェックしてもらう」
「〇日、資料の修正」
など、“段取り”もあわせて手帳に書く。

「書かなくても覚えていればいいでしょ?」と、つい面倒くさく思ってしまうかもしれない。しかし、段取りを手帳に書いていれば、会議前日に「あ、資料作らなきゃ!」と焦ることはなくなる。上司があなたの焦っている姿を見て、「アイツに仕事を任せるのは大丈夫か…?」と不安に思われても文句は言えないのだ。

 その反面、上司からの信頼が厚いデキる人は、頭で組み立てた段取りを手帳にきちんとアウトプットする。書いたことは忘れていいので、休日やオフタイムには仕事のことは全て忘れてよく、仕事を始めるときに手帳を確認して思い出せばいいのだ。

 プライベートもビジネスも一挙両得できる「忘れる」ための手帳活用法。これを実践しない手はないだろう。

キャリアアップのために「専門知識」を身につけるのはムダな努力

 高いレベルで仕事をするためには、専門的な知識やスキルはあった方がいいだろう。しかし、人事異動や転職がきっかけで使えなくなってしまうような知識やスキルを身につけようとするのはちょっと待った方がいい。

 例えば、営業として「商談スキル」を磨いたとしても、総務や人事など別の部署に異動となれば使えなくなってしまう。専門知識やスキルの前に身につけておきたいのは、どの部署やどの会社に行っても役立つ力。「良好な人間関係を築く力」「人の話をきちんと聴く力」「問題発見と解決力」などだ。

 このような“土台となる力”を身につけずして、枝葉末節のスキル・知識に執着してしまうことは、ムダな努力のひとつとなる。

ビジネスキャリアのために資格取得や語学力向上するのはムダな努力

 自分のキャリアアップを図って、TOEICや英検にチャレンジしスコアアップや資格を取得しても、仕事はインプット“だけ”で評価されることはない。仕事では、身につけた能力を「どうアウトプットしたか」が重視されるのだ。

 例えば、英語に関する資格を取得したなら、実際に英語でやり取りする機会を作る。そのようにアウトプットを重ねることで、「知識」を元に「経験」を得ることができ、その経験がビジネスで役立つ「強み」となるのだ。

 ただ資格を取得したり、留学したりするのはムダな努力となってしまう。覚えておきたい。

 さあ、しなくていいムダな努力が自覚できれば、あとは改善に向けて行動あるのみ! あなたの仕事のレベルはまだまだ上げることができるのだ。仕事や人間関係、将来に不安を抱えているビジネスパーソンはぜひ一読してみてほしい。

文=冴島友貴