【作ってみた】意外すぎる食材で魔改造!? 罪なほどおいしい『悪魔のカンタンごはん』

暮らし

公開日:2020/4/28

『悪魔のカンタンごはん(エイムック) 』(ロー・タチバナ/エイ出版社)

 料理研究家のロー・タチバナさんによる「悪魔のレシピ」シリーズに、待望の第3弾が登場! 罪なほどカンタンでおいしいレシピが詰まった第1弾、おつまみ系に特化した第2弾に続いて、本書『悪魔のカンタンごはん(エイムック) 』(ロー・タチバナ/エイ出版社)は「食事系」に特化した1冊である。

 より悪魔みが強まったという本作は「ご飯」「麺」「パン」の3カテゴリからなり、紹介されているレシピは40品以上。第1弾がパスタにのったハンバーグを崩して食べる「進化系ボロネーゼ」や、コーン缶を汁ごと使った「飲めるバターコーン」など、意外性のあるレシピラインナップだったのに対して、本書は日々の食事作りに役立つ手軽さとおいしさを備えたレシピ揃いとなっている。

 本稿では、その中でも特に食材や調理法がシンプルで、料理初心者にもおすすめの3品を取り上げて紹介する。意外な食材や、ほんのひと工夫で“魔改造”された悪魔的レシピをチェックしてほしい。

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旨味アイテムをこれでもかとぶち込む!悪魔丼(pp.36~37)

 火は使わない! 電子レンジも使わない! 材料をボウルに入れて混ぜるだけで、悪魔的においしい丼ものができあがるご飯レシピ。

 材料はご飯、刻み紅ショウガ、万能ねぎ、揚げ玉、塩昆布、乾燥小エビ、かつおぶし、白ごまなど。それらをすべてボウルの中で混ぜ合わせ、少量のめんつゆを加えて完成。仕上げに卵黄をのせれば見栄えもよし!

 まずは卵黄を崩さず一口。「なんだ、これは」と思うほど、一口ずつ違った旨味を感じる。めんつゆでほんのり甘いご飯に、紅ショウガや塩昆布、小エビなどすべての旨味アイテムがマッチしている。揚げ玉のサクッとした食感が、いいアクセント! 卵黄をからめて食べると濃厚な食感が加わり、ついつい食べ過ぎてしまうおいしさに。もちろん、おにぎりにしてもおいしいこと間違いなし。

シーチキンとトマトの田舎風パスタ(pp.60~61)

 レシピの横に「トマト缶を使ったら怒っちゃうんだからね!」と書き添えられた、フレッシュトマトを丸ごと1個使った麺レシピ。具材はニンニクとトマトとシーチキン缶だけというシンプルパスタだ。

 作り方はオリーブオイルを熱したフライパンに刻みニンニクを入れ、香りがついたら、くし切りのトマト(あらかじめ皮は湯むきしておく)とシーチキン缶、塩を加えて炒める。茹であがったパスタと、パスタの茹で汁少量を加えて一気にかき混ぜ、器に盛ってコショウを振ったら完成。ちなみにトマトの湯むきは、ヘタとは反対側のほうに包丁で十字の切り込みをいれ、沸騰したお湯に数十秒くぐらせてから冷水につければいい。こうすることで気持ちよく皮がむける。

 さっそくできたてをいただいてみると、おどろきの旨味…! 使った調味料が塩だけとは思えないくらい、トマトの甘さやシーチキンのコク、ニンニクの風味が混ざり合い、“懐かしの喫茶店で食べる味”のようなおいしさを感じる。シンプルだからこそ、素材にこだわれば、もっとおいしくなりそうだ。使うトマトはちょっぴり奮発したものをおすすめする。

究極進化系たまごバーガー(pp.94~95)

 ふんわりトロッとしたスクランブルエッグがあふれ出るマフィンバーガー。スクランブルエッグの上に、すりおろしたカレールウを振りかけて、スパイシーに仕上げた1品だ。

 トースターで焼いたマフィンに、ゆるめに仕上げたスクランブルエッグ、カレールウ、レタスの組み合わせだけで、もうおいしくないはずがない。しかしそれだけではまだ「究極進化系」とまではいかない。

 フライパンでバターたっぷりのスクランブルエッグを作り、ボウルに移す。そこに塩、コショウと、刻んだ「いぶりがっこ」を入れて混ぜ合わせるのだ。それをレタス、カレールウと共にマフィンに挟む。いぶりがっこのスモーキーな風味と塩味、そして歯ごたえが加わることで、食べ応え満点の究極進化系たまごバーガーの完成だ。せっかくなら週末の昼下がり、シュワッとおいしい炭酸ジュースやビールを片手にかぶりつきたい。

 思わず試したくなるレシピが揃った『悪魔のカンタンごはん』。この禁忌の書を手に入れて、いつもの食卓に罪なほどおいしい悪魔メシを召喚してみてはいかがだろうか。

調理・文=ひがしあや