物言わぬ名探偵。怪傑! 三毛猫ホームズ!(実はメス)

小説・エッセイ

2012/6/9

三毛猫ホームズの推理

ハード : PC/iPhone/iPad/Android 発売元 : KADOKAWA / 角川書店
ジャンル:小説・エッセイ 購入元:BOOK☆WALKER
著者名:赤川次郎 価格:567円

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鼻が利く、という言葉で連想する動物は何でしょうか。
…まぁ普通に、犬ですよね。大体の人がそう考えるのではないかと思います。実際に犬の嗅覚は人間の一億倍だとか(一億倍に薄めた酢酸の臭いを嗅ぎ分けたことによるそうです)。

一体どういう気持ちなのかは想像の及ぶところではありませんが、そんな飛び抜けた嗅覚のため、犬はしばしば名探偵になっています。巨匠・宮崎駿監督が手がけたアニメ、名探偵ホームズでは、ホームズやワトスンなどの登場人物が犬キャラでそのまま登場したりしますし、最近では探偵犬シャードックという、ホームズが犬に転生して出てくる漫画作品もあったりします。


…が、本作はそれらと真っ向から対決する、猫が名探偵の物語です。といっても、猫化したホームズが事件を解決するわけではなく、とっても賢いホームズという名の猫が出てくるお話です。

主人公は血を見るのが大嫌い、という“優しい男”片山刑事。ある殺人事件から浮かび上がった、女子大の売春疑惑の捜査に乗り出します。しかし、羽衣女子大で次々と起こる事件は、どれも不可解で捜査はすぐに頓挫。片山をはじめ、関係者は頭を抱えるのですが、偶然なのか必然なのか、飼い主をなくした猫のホームズが齎すヒントによって、絡まった意図が次第にほぐれていくのです。

謎に満ちた密室犯罪、奇妙な連続殺人事件、売春斡旋組織の影、学校建設業者の汚職…。快猫ホームズによってそれらが徐々に繋がっていき、物語は二転三転。猫と冴えない刑事コンビのゆるい捜査模様に反して、後半は特に激的展開であり、「そりゃあんまりだよ!」と思わず叫んでしまいます。

片山刑事よりも有能な、猫のホームズ。その名に恥じぬ大変な働きぶり。ニャンとも脱帽であります。物言わぬ名探偵の活躍、とくとご覧アレ!

…しかし、考えてみると、本家シャーロック・ホームズの性分は、犬というより猫に近いかも知れませんにゃー。


タイトルで油断させといてのサスペンス

見た目温和で血が苦手。あだ名は「お嬢さん」

何でもお見通しだニャン!