今秋映画公開の話題作。決して諦めないひたむきな主人公の姿に感動必至

小説・エッセイ

2012/6/11

天地明察 上

ハード : PC/iPhone/iPad/Android 発売元 : KADOKAWA / 角川書店
ジャンル:小説・エッセイ 購入元:BOOK☆WALKER
著者名:冲方丁 価格:408円

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江戸時代に、徳川家に仕える碁打ちの渋川春海という男がいた。碁打ちでありながらも、彼の頭の中は算術や星のことばかり。そんな春海に、日本独自の暦を作るという一大プロジェクトの話が持ちかかる。本屋大賞の大賞にもなり、今秋には、岡田准一主演で映画が公開される予定で、ひとりの青年の大成長を描いた爽快感あふれる作品。

つい先日、金環日食で日本中が湧きましたが、星や月って私たちの心を捉えて離さないものですよね。今は科学も発達し、天文学だけではなくありとあらゆる分野のことが研究し尽くされていて、わからないことがないというほどですが、江戸時代に天文学を研究し、新しい暦を作るということは並大抵のことではなかったはず。そんな大きな一大プロジェクトに、この本の主人公渋川春海は挑みます。実際にいた人物で、歴史の表舞台にはあまり出てこない人ですが、こんなすごいことをした人がいたのだなと感動してしまいました。

失敗しても挫折しても決してあきらめない主人公、渋川春海の姿には胸を打たれます。この主人公が本当にステキだから、読んでいてとても幸せな気持ちになれました。一見頼りないかわいらしい感じの、今で言う草食系男子だけれど、実直でひたむきで、多くの人々から愛され、たくさんの仲間に囲まれ、だからこそ暦を変えるという途方もないことを成し遂げることができたのです。

時代小説というとなんとなく重々しくて読みにくいんじゃないかなと思いがちですが、この作品は最後までとても読みやすかったです。特に出てくる登場人物全員が個性的だけれどみんな“いい奴”で全員がそれぞれ魅力的。いい意味で時代小説っぽさを全く感じません。映画の「渋川春海=岡田准一」というキャスティングはまさにぴったりという感じですね。楽しみです。


冒頭から「幸福だった」とありますが、読者の私も読んでいる間中ずっと幸福でした

竹ぼうきを持ったかわいい少女との出会い。登場人物がすべて魅力的です

ここから、長い旅がはじまる