少ないストレスでダイエットを成功させるポイントは「ぬるま湯」!? 忙しくても続くゆるヤセメソッド

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更新日:2020/5/27

『ゆるヤセ』(大上まりあ/白夜書房)

 運動はしたくない。食事制限も、カロリー計算もメンドクサイ。…けど、ヤセたい。そんな人に、ぜひとも手に取ってほしいのが『ゆるヤセ』(大上まりあ/白夜書房)だ。

私の「ゆるヤセメソッド」は、「生物学的に考えたら普通こうでしょう?」という、実に当たり前の理論をベースにしています。賢明なあなたは知っているはず。そう、甘い話には罠があるのです。1カ月で20キロもヤセたとしたら、体にも心にも良いわけがありません。(p.3)

 本書は忙しいビジネスパーソンでも無理なく、最低限のストレスで、健康的にヤセる方法を紹介する1冊だ。2つの会社を経営し忙しい毎日を送る中、1年半で20キロヤセた著者自身の経験を基にした「ゆるヤセ」メソッドが公開されている。

お酒ってやっぱり太るの? アルコールと脂肪の関係

 とても簡単に説明すると、本書は「デブの源・脂肪と闘うための本」である。そして、その勝負にゆる~く勝つための手引書だ。

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大切なのは「AだからB」のAを知らずに「Bをやるといい」だけを盲信しないことです。どんなことでも「理由」を知りましょう。(p.9)

 闘うためには、まず敵(脂肪)を知らなければならない。本書は、からだの仕組みや脂肪についての最低限の知識が身につくように構成されている。

 たとえばダイエット中に気になるのが、飲酒。ダイエットのために、大好きなお酒を我慢しなければならないストレス…。想像しただけで挫けてしまいそうな人もいるかもしれない。

 そもそもアルコールは、摂取しても最終的に水と炭酸ガスに分解されて排出されるので、エンプティカロリーと言われている。エンプティは空っぽ、という意味だ。最近では糖質カットのアルコール飲料も増えてきており、ダイエット中の飲酒も問題なさそうではある。

だけど、アルコールをたくさん摂取すると、その量に比例して、肝臓ではトリグリセリド=中性脂肪を合成する量が増えてしまいます。すると、血液中で中性脂肪の量を跳ね上げる、血清トリグリセリドというものが増加します。(p.108)

 残念ながら、やはりお酒は中性脂肪を作り、太るのだ。しかし本書では、ダイエット中の晩酌も絶対にダメとは言わない。あくまで最低限のストレスでおこなえるのが「ゆるヤセメソッド」なのだ。

チェイサーもぬるま湯で!? ゆるヤセメソッドは「水の達人になる」こと

 ゆるヤセには大きく「水の達人になる」「太陽の達人になる」「大人チートの達人になる」という3つのメソッドがある。簡単に説明すると「水分をとる」「食事の時間に気を配る」「サプリやツールの活用」だ。

 たとえば「水の達人になる」という項目では、1日に2リットルの水を飲むように勧めている。理由は体に老廃物をため込まず、代謝を促進させるため。詳しくは本書を読んで、ヤセる理由を理解してほしい。

 水の達人になるためには1日に飲む量はもちろん、飲み方にもちょっとしたコツがある。そのひとつが「体温ぐらいのぬるさで飲む」ということ。これは温度に気を配ることで、内臓に余計な負担をかけないためだ。

 また、ゆるヤセ的にうまくお酒と付き合う方法として、ぬるま湯のチェイサーをおすすめしている。アルコールの利尿作用による脱水症状と、内臓体温低下を防ぐためである。

 このように「●●は太るから絶対にダメ!」ではなく、ゆる~く上手に付き合っていく工夫をすることが、少ないストレスでダイエットを成功させるコツといえそうだ。

 最後にもうひとつ。ダイエットをする人は体質や性格など、それぞれに違うものを持っている。にもかかわらず、同じダイエット方法で全員が成功すると思えるだろうか?

 本書には自分に合ったダイエットプランが見つけられるように体質チェック・心理テストがついているので、ぜひ活用してみるといいだろう。本書を読み終えた時、「ダイエットって、案外カンタンかも」と前向きな気持ちになれているかもしれない。

文=ひがしあや