今すぐ手軽にコロナウイルス対策。朝〇分の早起きと簡単ストレッチで免疫力アップ!

健康・美容

更新日:2020/5/29

『病気にならない 1分免活』(小林弘幸/自由国民社)

 現在真っただ中にある新型コロナウイルス騒動。数カ月が過ぎたいまでも、今後の見通しは不透明なまま。外出時にはマスクを着け、帰宅したら石鹸を使って手を洗い、うがいを必ず行う。そんな行動を心がけている方は多いはずだ。

 そうした予防活動と併せて、最近注目を集めているのが「免疫力を高める」こと。免疫力を高めることで、新型コロナウイルスはもちろん、ほかのさまざまなウイルスや細菌も、自分の身体のなかで撃退することが可能になるからだ。

『病気にならない 1分免活』(小林弘幸/自由国民社)は、毎日の生活のなかで免疫力を高める方法を教えてくれる1冊。著者は順天堂大学医学部教授の小林弘幸氏。『医者が考案した「長生きみそ汁」』(アスコム)など、数々のベストセラーを執筆してきた人物だ。どうすれば、自分の身体の免疫力を高めることができるのか? その一部を紹介していきたいと思う。

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免疫力アップの鍵は腸が握っていた

 普段、我々が何気なく口にしている食べ物や飲み物には、目に見えない細菌やウイルスがたくさんついているという。それでも人が簡単に病気になったりしないのは、体内に入ってきた細菌やウイルスを敵と認識し、いっせいに攻撃してシャットアウト、体内に吸収するのを防ぐ免疫システムが働いているからだ。

 身体のなかに侵入した細菌やウイルスと戦うものというと、血液中に存在する白血球をイメージする方も多いと思うが、実は「体全体の免疫細胞のうち6~7割が腸に集中している」ことが医学的にわかっており、「腸は人体最大の免疫器官」ともいわれている。また、「小腸の一部にはパイエル板という免疫装置があり、そこで免疫細胞たちに人体にとって有害な敵を学習させ、訓練している」ことも明らかになっているという。

 小腸と大腸からなる人の腸。小腸は食べたものを消化吸収する臓器で、栄養を吸収し、血液に取り込むのがおもな仕事。そして大腸は、栄養を吸収したあとの残りカスから便をつくり、肛門から排出するのがおもな仕事になっている。小腸と大腸が元気に働くことで、有用な栄養をしっかりと吸収し、不要なものをスッキリと出すことが可能になり、質のよい血液がつくられるようになる。その血液が全身の細胞に行きわたることで、細胞が活性化し、新陳代謝がアップ。身体に備わっている免疫力も高まるというのが、ざっくりとした仕組みだ。だから、著者は断言している。「免疫力を上げる一番の方法は、腸内環境を整えること」だと。

朝30分早く起きるだけで免疫力が高まる!

 腸内環境を整えるには、いったい何をすればいいのか? 著者が出す答えは、「朝、30分余裕を持って起きる」こと。

 我々の身体は自律神経によってコントロールされている。自律神経には交感神経と副交感神経のふたつがあり、交感神経は緊張時や活動時に優位になり、副交感神経はリラックス時や睡眠時に優位になる。睡眠から目覚める朝は、副交感神経から交感神経へ自律神経の働きが切り替わるタイミング。このとき時間に余裕がなく、一気に切り替えようとすると、その日一日、自律神経のバランスが不安定になってしまう。そして、自律神経の働きと深く関係している腸の働きも不安定なものになってしまいやすい。

 そのため、朝はゆっくりと副交感神経から交感神経へと切り替わるようにすることが大切なのだが、そのポイントとなるのが「朝、30分余裕を持って起きる」ことなのだ。

 朝、30分余裕を持って起きることで、しっかり朝食を摂ることが可能になり、腸の活動をうながし、排便リズムをつけることができるようになる。その結果、腸内の環境が整い、免疫力が高まっていくという。

 朝がつらい、早起きが苦手…などの不安は気にしないことも大切だという。寝坊した日があっても、「明日は大丈夫」と気楽に構えて、ゆるく、がんばりすぎないことが、うまく習慣化するコツだというから、その点も意識するとよいだろう。

ストレッチで腸の働きがよくなる

 本書で著者は30分早起きしたら取り組むとよい「朝の黄金習慣」を紹介している。そのひとつが、ストレッチだ。




 腸を元気にするには、食べものや飲みものによる内側からのアプローチだけでなく、ストレッチなどによる外側からのアプローチも欠かせないという。とくに朝のストレッチは腸に刺激を与えるのに効果的なもの。どの種目も簡単なものだし、腸はすぐに反応してくれるというので、1分を目安に毎日続けることをめざしてもらいたい。

 腸内環境を整え、腸の働きをよくすることで、さまざまなウイルスや細菌を撃退できるよう免疫力を高めることができる。それに加え、腸内環境を整えることで「太りにくい身体になる」「肌がきれいになる」「疲れにくくなる」などの効果を期待することもできるという。ここで一部を紹介したように、腸内環境を整えるために必要なことはごくごく簡単なことばかり。本書では「朝の腸習慣」「腸が喜ぶ食習慣」「腸をいたわる習慣」なども解説されている。それらを習慣にし腸の働きを高める「腸活改め免(疫)活」は、いまこの時代に必須の活動かもしれない。

文=井上淳