手強い相手を7タイプに分ければ、攻略法が見えてくる! 敏腕弁護士が駆使するタイプ別交渉術とは?

ビジネス

更新日:2020/6/16

『7タイプ別交渉術』(谷原誠/秀和システム)

「話しづらい人と、どう話せばいいか分からない」
「気になるあの子とお近づきになりたい。でも、どう誘えばいい?」
「伝え方ひとつで、相手に響くときとそうじゃないときがあるのはなぜ?」
 
 こんな疑問を感じたことがある方に、ぜひともオススメしたい本がある。それが『7タイプ別交渉術』(谷原誠/秀和システム)だ。本書によると、相手を7つのタイプに分類し、それぞれの性質にマッチした対応をすれば、話を聞いてもらえるようになるという。
 
 著者は現役の弁護士でありながら、ニュース番組などの解説としても活躍する谷原誠氏。谷原氏曰く、「人は感情によって理性を従わせるため、納得さえすれば動く」とのこと。人はタイプに応じた納得の仕方があるので、相手のタイプを理解するのがまず重要なのだ。
 
 ここでは、その7つのタイプから、ビジネスシーンで遭遇することの多い3タイプを選出。それぞれの性質や対処法について簡単に伝えるので、自分の周りの「ああ、そういえばいるいる」という人を思い浮かべながら読んでほしい。

頭の回転が速い「損得タイプ」は、相手の得になる提案を

 頭の回転が速く、要領がよい人に多い損得タイプ。自分の役に立ちそうな人物に取り入ることが上手い反面、役に立たないと思うと邪険に扱うなど、相手や状況によって態度が変わるのがこのタイプだ。

 ポイントは損得勘定に訴えること。例えば、こんな感じだ。

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「今回契約すれば、キャンペーン適用で特別ボーナスポイントが10倍付与されます。このチャンスを逃すと、次は来年になるでしょう。それに、例年だとポイント倍率は5倍なので、今が狙い時なんです」

 もしこのタイプの上司を説得するのであれば、今やることのメリットを訴えるのが効果的。また、異性を口説きたいなら、季節モノや期間限定イベントなどをネタにしてみるのもアリだろう。

仕事が生きがい「成功追求タイプ」は、質よりスピードを意識すべし!

 仕事のためならプライベートの犠牲もありだという、仕事が生きがいという人は成功追求タイプ。忍耐強く努力家であり、成功しやすい反面、努力しない人を疎ましく思う面も。また、時間の無駄や失敗を恐れる性格も特徴だ。

 このタイプは、“効率”や“成功”がキーワード。時間のロスや失敗を匂わせるのが効果的だ。

「今回の案件について、一年以上も前から提案と検討を重ねてきました。ここで断念してしまっては、これまでの膨大な時間が水の泡……。何とか成功させたいですね」

 こう話せば、時間と手間の割には結果が出なかったという失敗が相手によぎる。きっと相手をその気にさせられるだろう。

経営者に多い「勝敗タイプ」。合言葉は“負けるが勝ち”


 会話の主導権を握り、マウントを取ろうとするのが勝敗タイプ。勇気や正義感がある一方で、ダメ出しされることを嫌い、柔軟性や協調性に欠ける一面も。

 経営者に多いこのタイプは、“花を持たせる”ことが重要。交渉は、次のようにするとスムーズだ。例えば、金額交渉で先方の希望金額が100万円だったとした場合なら、

(1)最初に150万円で提案
(2)相手の値下げ交渉に対し、「120万円は絶対に譲れない」と妥協を見せる
(3)交渉決裂寸前で「仕方ありません、100万円ならば合意しましょう」と根負けを装う

 ポイントは、(2)で固執する姿勢を見せること。そうすると、相手が勝敗の基準はこのラインだと思うので、(3)での演出が効果を発揮するというわけだ。家電量販店やカーディーラーなどで、値下げ交渉の末、「本当はダメなんですけど、今回だけ特別にポイントと付属品をサービスします」と負けてもらえたのは、この応用だったのか。負けるが勝ちとはまさにこのこと。

 本書には上記で挙げた他にも「快楽追求タイプ」「平和主義タイプ」「ロジカルタイプ」「人助けタイプ」を含めた7つのタイプを解説。それぞれに適した交渉術を伝授してくれる。

 自分や相手がどんなタイプなのか知りたい、どんな相手に対しても、自分の気持ちを伝えられるスキルを身につけたい、と思った方はぜひ本書を読んでみてほしい。明日からはあなたもきっと立派なネゴシエーターだ。

文=冴島友貴