「それ言ったらモチベーション下がる!」 NGワードを口にする“モチベーション下げマン”度をチェックしよう

ビジネス

更新日:2020/6/22

『モチベーション下げマンとの戦い方(朝日新書)』(西野一輝/朝日新聞出版)

「何度も言うようだけどさ…」「前例ないよね」「ま、どっちでもいいよ」…このような発言でやたらモチベーションを下げてくる人が周囲にいないだろうか。モチベーションは仕事の出来に直結する。このような発言をする人から身を守る術はないだろうか。そして、あなた自身がこういった発言をする側の人間になってはいないだろうか。

『モチベーション下げマンとの戦い方(朝日新書)』(西野一輝/朝日新聞出版)では、意図に関わりなく人を攻撃し意欲を低下させる人を「モチベーション下げマン」と呼んでいる。人がモチベーションを下げるきっかけは、他者が大きく関係するという。モチベーション下げマンの対処法を知っておけば、モチベーションを安定させやすくなる。また、モチベーション下げマンの言動や心理を知れば、自身の中に潜んでいるかもしれないモチベーション下げマンをきっと抑えられるだろう。

 本書によれば、モチベーション下げマンには2つのタイプがある。善意のモチベーション下げマンと、悪意のモチベーション下げマンだ。後者は、意図をもってモチベーションを下げてくるので、全力で防御するしかない。前者はやっかいだが、多くのモチベーション下げマンは、これに該当しそうだ。本人にとっては「よかれ」と思っての言動なのだ。

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「君って上司の話を聞いていないよね」といった、自分は部下のことをわかっているかのような発言。上司自身は、言外に「でも、それなりに評価しているよ」と半分認めているのだが、言われた部下は「自分のことをわかってくれていない」とモチベーションを下げる。

「さっき言った件なんだけどさ」「もう1回言っとくけど」「絶対だからね」と、1回言えばわかることを何度も念押ししてくるモチベーション下げマンもいる。言った側は親切心のつもりでも、言われた側は「信頼されていないんだな」とモチベーションを下げる。

 ほかにも、「◯◯さんがこんなことを言っていたけど、大丈夫?」「前例はあるの?」「私はいいと思うけど、ほかの人はどうかな?」「君はもっとできると思っていた」「これ、何の意味があるの?」「ま、どっちでもいいよ」など、言った本人の中では相手を思ってのことでも、結果的に相手のモチベーションを下げる言動はいくつもある。

 こういった発言を繰り返してしまう背景には、相手の反応が想像できない鈍感さ、あるいは「相手のためになっている」という思い込みがある。モチベーション下げマンは、まずは自身を振り返り、改める必要があるが、周囲からの声が届かない立場の人であれば難しい。あなたは大丈夫だろうか?

 善意であれ悪意であれ、モチベーション下げマンに対峙するには戦術が必要だ。本書には、言動のパターン別に、対処法が掲載されている。モチベーションは仕事の質を下げもすれば、高めもする。本書は、読者がモチベーションをコントロールできるようになることを望んでいる。

文=ルートつつみ(@root223