追うより追われる女になる! 大人気恋愛コンサルタントが説く“距離感”の極意

恋愛・結婚

公開日:2020/7/3

『1ミリでも距離を縮めたい“彼女”になる がんばらなくても愛される恋のルール』(高橋あい/大和出版)

 恋愛コンサルタント高橋あいさんの3冊めとなる著書が『1ミリでも距離を縮めたい“彼女”になる がんばらなくても愛される恋のルール』(大和出版)だ。高橋さんは2015年に起業し、現在ではセミナー、個人コンサルともに予約の取れない大人気恋愛コンサルタントとして知られている。

 そんな今ではだれもが認める“恋愛マスター”の高橋さんだが、ここまで順風満帆に「モテ道」を極めてきたわけではない。高橋さんは21歳で結婚・出産、24歳で離婚を経験し、シングルマザーとして10年間、女手ひとつで男の子を育ててきたという。そして、恋愛に関してはもともと自他ともに認める“こじらせ女子”。つらい・しんどい恋愛ばかりする恋愛依存体質な自分から脱却するために、恋愛心理やテクニックを独学で研究しはじめ、独自のメソッドを確立するに至ったそうだ。現在では高橋さんにべた惚れの旦那さまと再婚、3人のお子さんのママとして、恋愛で悩める女子を救うべくパワフルに活動されている。

 本書は、こじらせ時代からトライ&エラーを繰り返す中で高橋さんが見つけたあるキーワードについて改めて詳しく語るというもの。そのキーワードとは「距離感」だ。本書ではそれを「恋愛や結婚、パートナーシップをマスターするための最重要ファクター」と位置づけている。

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「今度○○に行こう」日程を決めない約束は本命にはしない

 冒頭の章では、「彼の“本気度”がわかる男ゴコロのYES or NO」と題し、男性の行動・発言が本気なのか遊びなのかのチェック項目がずらりと並ぶ。「えっ距離感の話は?」と少し戸惑ったが、これがなかなかに実用性が高い。たとえば「『今度○○に行こう』と言うけど日程を決める約束にならない」は「遊び」であるとバッサリ。「遊びじゃなかったとしても、日程を決めない時点で、その女性の優先順位は低いでしょう」と、相手に詰め寄っていきたい気持ちをグッと現実に引き戻してくれる。

 そして、続く第2章は「女子の“タイプ別”恋愛コミュニケーション」。なるほど、真剣勝負で間合いを測るには、己と相手のリーチを正確に推し測るところから……となぜか剣士の斬り合いを思い浮かべてしまったのだが、冒頭の2章はテクニックや心構えに入る前に、相手を知る、自分を知るという意味でやはり大切なところだろう。

 第3章以降からは、“距離感”とはなんぞや? というところから具体的なテクニック、相手の選び方や男性心理など、「あっ、そうそう、それ聞きたかった!」というさまざまな恋愛の疑問・難門を解決するための高橋さんの回答がたっぷり書かれている。

 わたしがいくつかの恋愛本を読んできた中で、高橋さんの著書やブログに感じることは、まるで友達のような親近感だ。丁寧なのだけれど、友達と恋愛相談しているようなフランクな語り口で、ときには優しく肯定しながらアドバイスしてくれたり、ダメなことはバッサリ斬って叱咤激励をくれたりする。高橋さんの講座の受講生になる方は、高橋さん自身の人間性のファンも少なからずいるのだと思う。恋愛上手な友達に「あるある、わかるよー」とねぎらわれながら、よりよい恋愛をするための方法を一緒に探っていくような気持ちになれるのだ。恋愛でモヤモヤしたとき、誰かに話を聞いてもらいたいとき、「ねえねえ聞いて!」と相談するように、ページをめくりたくなる一冊だ。

文=本宮丈子