「すごーい」が許されるのは〇歳まで? 溺愛される女性の正しい「男性の褒め方」とは?

恋愛・結婚

公開日:2020/7/4

『大好きな人がずっと一緒にいたいと思う女になれる。褒め言葉の魔法』(瀬里沢マリ/SBクリエイティブ)

 人を褒めることは難しい。恋愛を前提に相手を褒めるとなると、なおさら意識してしまって空回りしそうだ。それが息をするように自然にできる人もいるが、皆がそうではないし、どちらかというと苦手だという人のほうが多いのではないだろうか。そんな褒めベタ女子に、基礎から男性の褒め方のレクチャーをしてくれる一冊が『大好きな人がずっと一緒にいたいと思う女になれる。褒め言葉の魔法』(瀬里沢マリ/SBクリエイティブ)だ。

 著者は「溺愛コンサルタント」として活躍中の瀬里沢マリさん。東京大学大学院薬学系研究科で博士号を取得後、ニューヨークの脳科学研究所に勤務しながら、自身の経験やさまざまな実証実験に基づいて独自の「溺愛理論」を確立。恋愛に悩む数多くの高学歴女子に救いの手を差し伸べてきた頭脳派恋愛コンサルタントだ。

 褒めることが難しい、と感じる女性の中には、男性を手放しで褒めること自体に抵抗があることも。わたしもどちらかというとそのタイプだ。男性と対等でありたい! という思いが強すぎるのか、褒めることは男性に気に入られようと媚びることだとどこかで考えていて、相手にそう思われたくないがためにうまく褒められない。そんな「男性を褒めることに強い抵抗を示す女性」の思い込みについてはガツンと「褒める=媚びる」ではないと一喝。

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 本書によれば、「溺愛される褒め方」とは、表面的に相手のことをすごいすごいとはやし立てるのではなく、相手のよいところを探し、理解した上で、それを認めて伝えることだ。「この子、俺のことよくわかってくれているな」と思わせることこそが「褒める」ことのゴールなのだという。

 第1章では、無駄な思い込みを捨て、小手先のテクニックではなくきちんと相手と向き合うことの大切さが説かれている。続く2章の実践編では、相手の褒められたいツボを突くための会話の掘り下げ方を具体的な会話例をまじえて解説。相手の話を聞きながら、どんなところに焦点を合わせていけばよいか、そのためにはどんな質問をすればいいか、相手の反応をきちんと観察することの重要性などもあわせて書かれており、恋愛だけにとどまらない「褒め方の基礎」をあらためて確認できる。「とりあえず考える前にこれで練習して褒めることに慣れよう!」というシーン別にまとめられたセリフ集も「あっそういう言い方をすればいいのか、なるほど!」と相手を褒める語彙の少ない褒めベタ女子にはなかなか実用的だ。

 3章以降は、瀬里沢さんが提唱している「溺愛理論」に絡めて、男性とのよい関係を持続させることや、ハイスペ男子の攻略法のほか、結婚してもなお溺愛され続けることを目的とした褒め方レッスンが展開される。

 本書は、「溺愛される褒め方」のレクチャーが主な内容ではあるが、これは本質的に相手(男性)に対してどのように興味を持ち、内面を理解していけばよいのかといういわば「興味の持ち方入門書」でもあると感じた。恋愛は、相手に興味を持たなければ何も始まらない。外見や表面的なスペックのみに気を取られて、相手の内面に興味を持てなかったばかりにつらく苦しい恋愛になってしまうことは往々にしてあることだ。相手のよいところを探そうとするその過程で、相手のことを好きになり、さらにきちんと「褒める」ことで相手から愛されることができれば、恋愛はきっともっと幸せなものになるはずだ。

文=本宮丈子