我が子を羽生結弦・大谷翔平のように育てたい! 両選手に共通する取り組みとは…?

出産・子育て

更新日:2020/7/7

『大谷翔平・羽生結弦の育て方 子どもの自己肯定感を高める41のヒント』(児玉光雄/幻冬舎)

 わが子の幸せを願わない親はいない。その子らしく伸び伸びと育ってほしいが、欲をいえば、大きく成長してもらいたい。夢物語かもしれないが、フィギュアスケートの羽生結弦選手やメジャーリーガーの大谷翔平選手に並ぶような大人物になってくれたら、親としてはこの上ない幸せだ。

 スポーツ天才学の見地からトップアスリートの心理分析を20年以上続けてきた著者の『大谷翔平・羽生結弦の育て方 子どもの自己肯定感を高める41のヒント』(児玉光雄/幻冬舎)に、2人の共通項が示されている。ズバリ「自己肯定感」だ。

自己肯定感がとても高いので、どんな状況下でも、二人は徹底して前向きな考え方を維持し、チャレンジし続けることができるのです。

 自己肯定感が、思考や行動パターンを左右する。本書は、自己肯定感を伸ばすためのことばがけや接し方、取り組みなどを、親が育児で取り入れられるようにやさしく、詳しく解説している。中でも、共通のおもしろい取り組みがあった。簡単に紹介したい。

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 両選手が取り組んできたもの。それは「視覚化」だ。

大谷翔平選手の「野球ノート」

 大谷選手は小学5年生まで毎日、父親と「野球ノート」を交換していた。大谷選手がその日の練習の反省を書き、父親がコメントや感想を記す。ノートを通じて、練習で特に守らせようとした約束が3つある。

1・大きな声を出して元気よくプレーする
2・キャッチボールを一生懸命に練習する
3・一生懸命に走る

 父親のコメントや感想から、3つに目標を絞って練習に集中した。大谷選手といえば、高校時代に立てた目標達成シートが有名だが、客観的で明確な目標設定と、それに向けた研究や努力を惜しまなかったことで知られる。「野球ノート」にも自己分析やメモが書き散らされていたかもしれない。

羽生結弦選手のメモ習慣

 さて、他方、羽生選手はメモ魔だった。スピード、タイミング、感覚ほか、練習で気になったことや思いついたことは、何でもメモした。就寝前、布団の中でイメージトレーニングをしている最中にひらめいてしまったら、「眠い」と思っても起き上がり、机に向かって“ガーッと書いて、パタッと寝る”。なんと、外出するときも持ち歩いて、気付いたことはメモし、それだけでなく頻繁に見返すのが習慣だという。

 スポーツ心理学では、好ましいメッセージやイメージを何度も出力することが大切とされている。何度も目標や課題を確認する、イメージを育てる、そして自己実現に繋げる。本書は、2人を自己暗示の天才だと述べている。

 ノートやメモを通じて、親ができることは多い。交換しつつ課題を浮き彫りにしたり、イメージを明確にしたりできるだろう。良い記述を読み上げさせる習慣も効果的だそうだ。2人が行ってきた、また現在も習慣化している取り組みは他にもあるが、知れば知るほど共通項や類似点が見えてきておもしろい。本書との出会いが、もしかしたらわが子のターニングポイントになるかもしれない。

文=ルートつつみ(@root223