“悪役令嬢”ブームの火付け役となった、異世界転生胸きゅんラブストーリー『悪役令嬢は隣国の王太子に溺愛される』

マンガ

公開日:2020/7/17

『悪役令嬢は隣国の王太子に溺愛される』(ほしな:漫画、ぷにちゃん:原作、成瀬あけの:キャラクター原案/KADOKAWA)

 ラピスラズリ王国の侯爵家令嬢ティアラローズ(ティアラ)は、ここが前世で自分がプレイしていた大人気乙女ゲームの世界であることに気づいてしまう。ヒロインをいじめる“悪役令嬢”に転生してしまった彼女が迎えるエンディングは、「婚約破棄」そして「国外追放」! そんなバッドエンドを回避するため奮闘するティアラを、思いも寄らない運命が待ち受ける――。

 原作小説とコミックをあわせて、シリーズはなんと累計170万部を突破! 現在大活況を呈している“悪役令嬢”ブームの火付け役となった『悪役令嬢は隣国の王太子に溺愛される』(KADOKAWA)。

 王太子ハルトナイツの婚約者であるティアラは、幼い頃から自らを厳しく律して生きてきた。次期王妃にふさわしい知性と教養、立ち居振る舞いを身につけて、ハルトナイツにも軽はずみな行動をとらないようにと厳しく接することもしばしば。しかしハルトナイツは、慎み深いティアラとは対照的に自由奔放、明るく天真らんまんなアカリに心を移してしまう。

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 この世界の“ヒロイン”であるアカリと、“悪役令嬢”ポジションのティアラ。乙女ゲームの法則を踏まえている世界なだけに、悪役であるティアラがアカリに勝つのは不可能だ。ゲームでの流れと同じように物語は展開し、観衆に囲まれてティアラはハルトナイツから婚約破棄を言い渡され、断罪されようとする。するとそこへ、隣国の王太子アクアスティードが現れる。

 ラピスラズリ王国以上に大国のマリンフォレストからの留学生、アクアスティード。容姿端麗にして頭脳明晰、年齢にあわない落ち着きと品格を兼ね備え、しかもちょっぴり腹黒というのがまた……最&高にハイスペックな彼は、実はゲームの続編のメインキャラクターという立ち位置である。本来ならば“悪役令嬢”に過ぎないティアラとの接点などないはずの彼から、まさかの求婚をされてしまう。

 ここから物語はゲームの構成を逸脱した方向へと進んでいく。思いも寄らない流れに戸惑いながらも、ティアラはアクアスティードの真摯な想いにふれて、求婚を承諾。“悪役令嬢”としてではなく、ひとりの恋する女性として生きていこうと決意する。

 婚約をしてからは、題名が表すとおりアクアスティードの溺愛がもう止まらない。ちゅっちゅっと、ついばむような小鳥キスにバックハグ、お菓子をあーんの食べさせ愛など、ティアラだけでなく読者も赤面させてしまうほど臆面もない甘い攻勢をしかけてきて、まさに理想の王子様!

 ティアラの花嫁修業が開始するマリンフォレスト編では、アカリ以上に手ごわい続編ゲームのヒロインや、ティアラに急接近する森の妖精王キースが登場。それぞれのライバルにあたるキャラクターたちと対峙して、ティアラとアクアスティードの仲は今後どのようになっていくのか――。先の読めない展開と、糖度高めな恋愛模様に心が鷲掴みされること間違いなしの、胸きゅんラブストーリーだ。

文=皆川ちか