「おかあさんのお腹の中、覚えてるよ! 」 Instagramで大人気の“胎内記憶ガール”に癒される人が続出中!

マンガ・アニメ

2020/7/31

おかあさん、お空のセカイのはなしをしてあげる! 胎内記憶ガールの日常
『おかあさん、お空のセカイのはなしをしてあげる! 胎内記憶ガールの日常』(竹内文香/飛鳥新社)

 わが子は、目に入れても痛くない存在。でも、子育て中は楽しいことばかりじゃない。生まれて来てくれることをあんなに待ち望んでいたのに、つい厳しく接してしまった時は自己嫌悪し、「私が親でよかったんだろうか」と悩みもする。

 そんな時にこそ、手に取ってみてほしいのが『おかあさん、お空のセカイのはなしをしてあげる! 胎内記憶ガールの日常』(竹内文香/飛鳥新社)。本書は作者である文香さんの娘・ひぃちゃんが語った「お空での記憶」を漫画化した作品。住民がみんな赤ちゃんであるお空のセカイには、数多くの驚きがある。

こんな世界があってもいい――長女ひぃちゃんが語る「お空での記憶」

 文香さんは高校時代に少女漫画家としてデビューし、20代半ばで結婚、現在は3人の娘に恵まれ、にぎやかな日々を送っている。もともと、スピリチュアルに妄信的ではなく、ひぃちゃんの話も育児記録の一環として漫画化し、インスタグラムにアップしていたそう。ところが、予想以上に反響があり、書籍化が決定したのだ。

 ことの始まりは、ひぃちゃんが2歳になった頃。ある日、突然、お腹の中にいた時の「胎内記憶」があると言い始め、文香さんに「赤ちゃん産んでもいいよ」と言ってきたそう。その時は心当たりがなかったため、軽く聞き流したが、なんとその後、妊娠が発覚。ひぃちゃんは生まれてくる子の性別も言い当てた。

 さらに、ひぃちゃんは胎内に宿る前、お空で過ごしていた時の「中間生記憶」もあるよう。お空のセカイでは食べる練習をした、妹と友達だったと言うひぃちゃんの記憶は、どれも興味深い。例えば、「生まれる前はどこにいたの?」という夫のなにげない質問には、神様がどんな人だったのかをユーモラスに語っている。





 さらに、生まれる前、どのお母さんにするかを選ぶため、お腹を見学しに行ったというエピソードでもひぃちゃん節は炸裂。




 次々と明かされる衝撃のエピソードに、思わず引き込まれてしまう。

 また、ひぃちゃんのお空の話には文香さんをはじめ、流産の経験を持つ女性の心を楽にしてくれる力がある。




 筆者自身も数年前に流産をし、自分のことを責めた時期があったため、ひぃちゃんが語る「お腹の子が空に戻った理由」を聞き心が軽くなり、4回の流産を経験した女性へのひぃちゃんの言葉を見て、涙が止まらなくなった。



 あの頃の自分をようやく許せるかもしれない。そう思った。

 スピリチュアル系の話は真偽が問われやすいものだが、本作はそこに重きを置いてはいない。自身も未だに疑っている部分もあると明記した上で、文香さんは読者にこんなメッセージを寄せている。

“有る人には有る世界で 無い人には無い世界 それでいいと思います。この本のマンガはその世界の真偽を追求していくものではなく 今、この瞬間、この現実世界を生きている人が 楽しんでくれたり 共感してくれたり 考え方や視野が少し広がったり 生きていくことが少しラクになったり プラスに作用してくれたら嬉しいなと そんな想いと願いを込めて作りました。”

 お空のセカイが本当にあるかどうかは、正直誰にも分からない。けれど、こうした話を信じることで心が救われるのならば、“あるかもしれない世界”を想うのもいいのではないだろうか。

 絶妙な突っ込みを入れつつ、ひぃちゃんの声に耳を傾け続けている文香さんは、愛娘が語るスピリチュアルな話を純粋に楽しみながら聞き、親子の交流を深めている。そんな姿からも読者は、「子どもの愛し方」を学ぶ。

 自分を親に選んでくれたわが子に、私はなにができるだろうか…。そんな問いが浮かんでくる本作は、親となった大人が「子ども」の視点に戻って読んでも楽しめる1冊。ぜひ、笑い、驚き、癒されながらお空のセカイに思いを馳せてみてほしい。

文=古川諭香

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