宗教の話は海外では歓迎!? ハグやキスは映画の中だけ!? 日本人が意外と知らない“グローバル社会”

ビジネス

公開日:2020/8/6

『武器になるグローバル力 外国人と働くときに知っておくべき51の指針』(岡田兵吾/KADOKAWA)

 コロナウイルスがもたらしたものは、健康への脅威だけではない。生活様式の変化、とりわけ働き方の変化も大きく私たちの日常に影響を与えている。感染リスクの高い満員電車や、県や国をまたいだ移動が避けられるようになった一方で、パソコンひとつであらゆる場所の人と仕事をすることが当たり前となりつつある。

 また近年、日本企業の海外進出は加速し、日本で働く外国人も増えている。今後は、弱体化した日本企業が海外の企業に買収されるといったことも起きてくるだろう。そうなると、突然上司が外国人になるということも起こりうる。今後、外国人と働く機会は必然的に増えていくだろう。また、日本の終身雇用制が崩壊しつつある今、実力主義といわれる外資系企業に魅力を感じ、就職・転職を考える人も増えてきている。

 そんな「ニューノーマル」な世界において、形を変え、益々必要とされるのが「グローバル力」である。『武器になるグローバル力』(岡田兵吾/KADOKAWA)には、これまでとは違う「オンライン&英語」という新しい環境を生き抜く知恵が詰まっている。

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「グローバル力」とは、単に英語が話せるだけではなく、相互理解に不可欠なコミュニケーション能力、異文化ビジネスに対する柔軟な対応力などが含まれる。今後、リモートでも対面でも、持っているビジネススキルを遺憾なく発揮するためには、この「グローバル力」が武器になってくると著者は言う。

 仕事で、外国人の部下が1分の遅刻。注意すると、「1分ぐらい許してくれ、日本人は時間に厳しい」と言われてしまい、なかなかタイムスケジュールを守ってもらえない…。

 こんな時、時間感覚が違う外国人に対してどう働きかけていけばよいのだろう。1分や2分の遅刻にも厳しくするのは日本のビジネス界でのルールであり、外国人の反発を買いやすい。自らの考え方も柔軟に変えなければならないかもしれない。

 また、頑張って勉強した英語で必死に話したのに、外国人の上司から「話が長くてわかりにくい」と言われてしまったときは? 職場で宗教の話を振られたら? なんと答えればよいのだろうか。映画のように自分からチークキスをすべき? などなど。外国の文化を受け入れ、ともに働くということは、このように尽きない疑問と不安が付きまとうものである。

 本書では、このような外国人と働くうえでの51の悩みひとつひとつに丁寧に答えている。さらに、ミスを注意したいときや昇給・休暇を申し出たいときだけでなく、オンライン会議で必要となる英語フレーズ600も収録している。

 今後、外資系企業で働きたいと思っている人はもちろん、日本の将来を考えて外国人と働くための力を身につけておきたい人、そしてビジネスとは関係なく、外国人とのコミュニケーション術を身につけたい人など、多くの人に本書をおすすめしたい。

 多くの人が、グローバル化とウイルスの荒波に飲まれることなく、本書に載っている「グローバル力」を武器に活躍していくことを願っている。