PCはもう不要。生活の質はお金よりスマホで決まる! ホリエモン流人生戦略の本質

ビジネス

公開日:2020/8/5

スマホ人生戦略 お金・教養・フォロワー35の行動スキル
『スマホ人生戦略 お金・教養・フォロワー35の行動スキル』(堀江貴文/学研プラス)

 もう、パソコンなんていらない――。ホリエモンは、本書『スマホ人生戦略 お金・教養・フォロワー35の行動スキル』(堀江貴文/学研プラス)の冒頭でこう言っている。和牛ビジネスからロケット事業まで手掛ける彼は、スマホひとつで多種多様な仕事をこなす。まだまだパソコン仕事が多い筆者からすれば「本当に?」と問いたくなるが、彼はテキストだけでなく、プレゼン資料さえもスマホ1つで作るというから驚きだ。

 常に世の中の先を見通し、数々のビジネスを生み出す堀江氏。彼のインプットの源は、常に持っているスマホだ。いったいどんなアプリで情報収集をしているのか…と気になるところだが、本質はそこではない。大切なのは、彼がスマホで何を見ているかではなく、どう使っているか。本書で語られるのは、スマホという“武器”を最大限生かすための心構えだ。筆者が唸らされた考え方を3つ紹介したい。

「お金を貯めるより、お金を使って得た経験を重視しろ」 P20

 日本でいまだに根強い「貯金信仰」。だが、過度にお金を節約していては、得られない経験もある。堀江氏は、新しい経験を買うのにお金を惜しむべきではないという。なぜなら、新しい経験をすることで新しい知見やスキルを得ることができ、それらが新しい仕事や事業アイデアを自然と生み出すからだ。つまり、お金を使うことで、よりお金が稼げるという。筆者の場合であれば、気になった本やアニメは片っ端からチェックしていく。すぐに仕事にはつながるとは限らない。だが、のちに「○○ジャンルのおすすめ作品5選」といった記事のラインナップになったりするのだ。

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「仕事を抱える真の理由は、手柄の独占欲」 P128

 この言葉は、まさに自分のことのようでドキッとした。「成果主義」が叫ばれる職場で、気づけば自分の評価を上げようと躍起になっている…。堀江氏は、仕事を抱え込みすぎている社会人は、根本に手柄を独占したい気持ちがあると指摘する。しかし、それはワガママであり、仕事はどんどんシェアするべきだという。スマホひとつあれば、同僚に助けを求められるし、クラウドソーシングで外注することも簡単だ。手柄に囚われて仕事の質を落とすより、スマホを活用して納得のいく仕事をしたほうがよい。

「同じ時間で最も情報密度が濃いのはマンガ」 P162

 最後は、情報のインプットについて。堀江氏は、単位時間あたりの情報量に気を配っている。例えば、本もすべてをじっくり読む必要はなく、要約サイト「flier」を使って10分で読み、要点だけつかんだっていい。また、媒体ごとの違いにも着目したい。音声メディアに比べ、視覚と文字で訴えるマンガは、時間当たりの情報量が多くなる。筆者もビジネス書のマンガ版を読むことがあるが、短時間で要点がつかめるのでおすすめだ。

 筆者がスマホでやることといえば、これまではニュースサイトやSNSの閲覧が中心だった。だが、本書を読めば、それはスマホの機能のほんの一部だと気づく。スマホだけでビジネスは可能で、リアルでは会えない人ともSNSなどでつながれ、新たな事業アイデアを得ることができる。また、そのアイデアをスマホで共有すれば、賛同者や出資者などが自然と集まることもあるのだ。つまり、その使い方ひとつで、人生に大きな差がつくようになる。本書で堀江氏の考え方を垣間見ながら、自分の生き方を見つめなおしてみてほしい。

文=中川凌(@ryo_nakagawa_7