生徒からは“くん付け”。“たぶんモテない”ほむら先生の「モテ男行動」を検証してみた

マンガ

公開日:2020/8/12

ほむら先生はたぶんモテない
『ほむら先生はたぶんモテない』(せかねこ/KADOKAWA)

 生徒たちの人望はないけれど、とにかく親しみやすく愛される……学校にはそんな先生がひとりはいたような気がします。『ほむら先生はたぶんモテない』(せかねこ/KADOKAWA)に登場する“ほむら先生”こと穂村虎太郎(26歳)もまた、ダメな大人として生徒はもちろん読者からも愛されている高校の生物教師です。

 ジャージに白衣姿、気だるそうに校内を歩き、アレルギー体質のため年中マスクが手放せず、体も弱い。発言に若さがなく、今どきの女子高生を恐れる、そんな彼は周囲から「ほむらくん」と呼ばれています。

 そんなほむらくんに想いを寄せているのが、蓮見れんさん15歳。多くの生徒がほむらくんをマスコット扱いしているなかで、蓮見さんだけは彼の魅力に気がつき、毎日生物準備室に入り浸って、アプローチをしまくります。

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 しかし、ふたりの関係は先生と生徒。禁じられた恋です……。なんて書くとシリアスな雰囲気になりますが、同作は超絶ほっこり脱力系ラブコメディとして人気を博しています。

 WEBマンガ総選挙2019で第2位に輝き、累計発行部数は15万部を突破しています。作者のせかねこ先生が作品を投稿すると、ほむらくんと蓮見さんの微妙な関係に、多くの読者が身悶えしているとか。現在のほむらくんフィーバーを見ると、彼は“たぶんモテるのでは”という疑惑が浮かんできます。そこで、ほむらくんが作中で行った「モテ男行動」を検証していきます。

油断させたところで名前を呼ぶ

 ほむらくんは、生徒の顔と名前が一致しないタイプ。第1巻の「ほむら先生と名前」の回では、蓮見さんに「私のこともうろ覚え?」と訊かれ「いや、お前は覚えたぞ 俺のことをいやらしい目で見てる奴」と答えます。このように、ほむらくんのデリカシーのなさも、モテないとされる理由です。

 しかしある日、教頭先生に「もう少し先生としての威厳を持て」と説教されているほむらくんを見かけた蓮見さんは、ほかの先生がいるときは「ほむら先生」と呼ぶようになりました。すると、ほむらくんがひと言。

「それはいい心がけですね。さようなら、蓮見さん」

 なんと、初めて蓮見さんの名前を呼んでくれました。「俺のことをいやらしい目で見てる奴」から、初の名前呼び……一気に蓮見さんのハートを打ち抜きました。

失敗をやさしくフォロー

 調理実習でクッキーを作ることになった蓮見さん。おいしいクッキーを焼いてほむらくんにプレゼントする! と意気込んでいたものの、残念ながら焦がしてしまいました。黒焦げクッキーの代わりに同級生の早苗くんが焼いたキレイなクッキーをほむらくんに渡しますが、彼は蓮見さんのクッキーも欲しがります。

「こんなん別に気にしないって よこせ」
「あ!」
「女の子は完璧より 少しできないくらいのほうが可愛げがあって俺は好きだけどね……てことで俺のね」
「ほっほむらくんほんとに モテないの!?」
「俺はモテないなんて一言も言ってねえ」

 蓮見さんのお気持ち、よくわかります。モテないわけがないんですよね……。3巻まで読み進めたところ、ほむらくんのモテ力は蓮見さんだけに発揮されている可能性が高いのです。なので、なかなか全方向にモテるかというと、難しいのかもしれません。

 みなさんも同作を手にとって、ほむらくんがモテるのかモテないのか、ぜひ検証してみてください。

文=丸井カナコ