亡くなった人は「あの世」で生前と変わらぬ生活を送っている!? 意外すぎる「あの世」のシステムに興味津々

マンガ

更新日:2020/8/18

あの世の社会科見学
『あの世の社会科見学』(流光七奈:協力、安斎かなえ:漫画/竹書房)

 今年のお盆は、新型コロナウィルスの影響で帰省を断念したという人も多いだろう。あの世から戻ってくるご先祖様の霊も、さぞ残念に思っているに違いない。ところで、ご先祖様の霊が普段いるであろう「あの世」とは、一体どんなところなのか考えたことはあるだろうか。スピリチュアルな世界ゆえ、いわゆる「信じる、信じないはアナタ次第」という部分が大きいとは思うが、それでも『あの世の社会科見学』『あの世の社会科見学』(流光七奈:協力、安斎かなえ:漫画/竹書房)で描かれる「あの世」は面白かった。

 本作は霊能者である流光七奈氏の協力の下、漫画家の安斎かなえ氏と担当編集者のサトー氏が「あの世」についてさまざまなことを学んでいくという「あの世案内」コミックだ。流光七奈氏は幼少時より霊などが「視える」人だったそうで、自身を題材にしたエッセイコミック『ダンナさまは幽霊』では、死別した夫・ハカセの幽霊と普通に生活する姿が描かれている。そんな流光氏によれば「あの世」はちゃんとあるそうだが、よく知られる「天国」や「地獄」といったものは存在しないのだとか。仕事柄、あの世の人ともコンタクトを取ることが多いという流光氏。そんな彼女が語る「あの世」事情で、気になった部分をピックアップしてみた。

自殺はするな! ゼッタイにするな!!

 日本で年間2万件近い自殺。これに対し、流光氏は「ナンセンス」だという。苦しみから楽になりたいから自殺を選ぶのだと思うが、実は自殺こそ「永遠の苦しみ」を味わうことになるのだ、と。例えば首吊り自殺して肉体は葬られても、その霊はずっと自殺現場に首を吊ったまま残るのだとか。そして本来の寿命が尽きるまではそのまま苦しみ続け、寿命が尽きてもお迎えに気づかなければ、さらに苦しみは継続する。楽になりたいからと死を選んでも、楽になるどころか苦しみはもっと続くというのであれば、自殺なんてするもんじゃないのである。

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「あの世」は意外と普通だった! 生前と変わらぬ生活を送る霊たち

 死後の世界といえば天国や地獄が定番ではあるが、流光氏によれば「そんなモノはない」という。「あの世」で死者の霊は、生前と変わらない生活を送っている模様。氏の亡き夫も、生前の職業だった歯医者をあの世でも続けているのだとか。さらに必要なものは念じれば出現するそうで、基本的に好きなことを自由に楽しめるとか。そしてその生活は永遠に続くのではなく、「自分が生きた年数分」くらいらしい。なぜかといえば、その間に生前の記憶などをリセットして「転生」できる状態までもっていくため。つまりあの世での生活は、転生までの準備期間ともいえるのである。

転生は「魂のすごろく」!? あがりを目指して課題をクリアすべし

 流光氏いわく、人の魂がなぜ転生するのかといえば、魂が「修業」をしているから。本書ではそれを「すごろく」にたとえており、転生した時に与えられた「課題」をクリアしていくことで、徐々にあがりへと進んでいくのだという。そして人生が辛く険しいほどすごろくの進みは早く、イージーモードだと進みは遅い。恵まれた人生を送っている人は現世で楽をしている分、魂の修業は進まないのである。人生の課題はハッキリ分かるものではないが、頑張って生きている人はきっとクリアできているに違いない。ちなみにあがった魂は守護霊になったりするらしいが、流光氏にも詳しくは分からないという。

 先述の通り、スピリチュアルな話題は当人が信じるか信じないかによるところが大きいが、本書における「あの世」のシステムは非常に分かりやすくて面白い。そしてこの『あの世の社会科見学』は、まだまだ続くという。今後、どのようなあの世のビックリ情報が飛び出すのか、霊感ゼロに違いない私などは非常に楽しみなのである。

文=木谷誠