男子と女子がココロをコネクトし合う繊細なSF日常青春ストーリー

ライトノベル

2012/6/26

ココロコネクト ヒトランダム

ハード : PC/iPhone/iPad/Android 発売元 : KADOKAWA / エンターブレイン
ジャンル:ライトノベル 購入元:BOOK☆WALKER
著者名:庵田定夏 価格:450円

※最新の価格はストアでご確認ください。

本作は『ココロコネクト』シリーズ(略称「ココロコ」)の1作目。第11回えんため大賞特別賞受賞作品です。

タイトルと表紙絵が、なんだか透明感があっていいな、という印象でした。もうこれだけで買いでしたが、内容も期待を裏切らず、グイグイ引きこんで止みません。

ちなみに、イラストの白身魚さんは、ある軽音楽部所属の女子高生たちの学生生活を描く某人気アニメのキャラクターデザイン担当らしく。なるほど、絵に親しみやすいわけだ、なんて勝手に納得してみたり。
7月にはファン待望のテレビアニメがスタートしますが、ヒロインのひとりである永瀬伊織役の声は豊崎愛生、というところで、わかる人はニンマリしてください。

本作は、高校の文化研究部員5人(主人公含め男子2人と、女子3人)の「人格」が「ランダム」に「入れ替わる」というもの。
男子が女子に、女子が男子に、突然入れ替わったり戻ったりします。

はじめは戸惑いや怒りがあるものの、一部の部員は途中からそんな非日常的な状況を楽しんでみたりしますが、やがては5人5様に心の奥底に秘めているキズが浮かび上がってきて。5人の関係が変化していきます。

「青春×ココロのキズ」が丁寧に描かれた繊細な作風なのは、なるほど、タイトルと表紙絵どおりだと、やはりあらためて納得してしまうのです。
SFだけど日常、舞台は現実世界だけどファンタジー、みたいな不思議さの中に、読者のココロにじわっとくる感動が隠されています。

「思いやりのある子どもに」とは、よく教育現場でいわれることで、その実現のために、道徳教育では人に対する思いやりを養ったり、集団学習でも他者への思いやりが生まれるよう結びつきが配慮されたりします。
人を思いやるとは、人の気持ちがわかること。他者を自分に置き換えてみると、人の痛みがよくわかったりします。

本作はラノベという親しみやすい形で物語が綴られてはいますが、その中身は文学的ともいえる人間描写、心理描写がギュギュッと詰め込まれている、なんともデリケートな良作なのです。


主人公・太一を含む登場人物、その1。文化研究部の男子2人

登場人物、その2。女子部員3人

舞台は私立山星(やまぼし)高校。学園モノです

部員の青木義文いわく「(同部員の桐山唯と昨晩)魂が入れ替わっていた」。この現象を皮切りにして…

何の兆候もなく、突然、主人公に訪れた、初めての“入れ替え”

もうね、本編前のこの絵のイメージなんですよ、ストーリー全体の雰囲気が。透明感あふれ、繊細