海外ドラマはたった350の単語でできていた!? メジャー単語を制してスピーキング力を磨く!

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公開日:2020/8/28

海外ドラマはたった350の単語でできている
『海外ドラマはたった350の単語でできている』(Cozy/西東社)

 学校では英語が得意科目で、それなりに自信があったのに、海外では現地の人の英語が聞き取れず、ファーストフード店でオレンジジュースを注文したのにLサイズのコーラが出てきた…。これは、筆者の実際の体験だが、状況は違っても、似たような経験のある方は多いのではないだろうか。今までいろいろな形で英語を勉強してきて、TOEICでもそれなりのスコアを持っているし、英語のメールのやり取りには苦労しないのに、会話になるとうまくいかないというケースは多いと思う。

 この問題を解決するには、学習方法を変えてみるといいかもしれない。学校での勉強や英語の試験だと、どうしても読み書きや単語の暗記が中心になる。特に単語は、かなり難しいものまで暗記しないといけないことも。しかし、実は、頻出の単語を350個知っているだけで、ネイティブとの会話には十分らしい。

『海外ドラマはたった350の単語でできている』(Cozy/西東社)では、従来の学習方法とは異なるアプローチで、「必ず英語が話せるようになる勉強法」を解説。著者自身が仕事で渡米した際に、現地の人との会話ができず苦労した経験から、行き着いた勉強法は「海外ドラマを見ること」だった。そこで気づいた衝撃の事実。それは、ドラマのセリフに出てくる単語が、中学レベルのものばかりだということ。ここに希望の光を見出した著者は、ドラマのセリフで使われている単語をすべて洗い出し、本当に必要な単語を見極めていった。

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全セリフの約80%が350個の単語からできている

 著者が勉強のために見始めたドラマは「セックス・アンド・ザ・シティ」。シーズン1〜シーズン6まで、全話を通して出てきた英単語数は1万2088個。この数字を見ると、「全部覚えるなんて無理!」と思ってしまうが、このうち5000個以上は1度しか登場しなかったそうだ。

海外ドラマはたった350の単語でできている

 さらに、同じ単語の重複も含めてカウントすると、この5000語に出会う確率は、わずか1.9%程度だった。それなら覚えなくても問題ないだろうということで、何度も出てくる単語に注目したところ、「ドラマの全セリフの約80%は350個の単語で作られている」ことが分かった。試験対策とは違い、「メジャーな単語に注目する。滅多に出てこない単語は捨てる」のが、英会話上達の鍵のようだ。

スピーキング力は短期間で上達する

 会話をするために大切な要素が、スピーキングとリスニング。本書によれば、スピーキングは短期間での上達が可能だ。自分の言いたいことを伝えるために、まずは「大きな声で、ゆっくり堂々と話す」ことが大切だが、会話のキャッチボールの鍵となるのは「瞬時にセリフを作る力」。これが身につけば、スムーズな会話ができるようになる。そのために有効な学習法として、著者がオススメするのが「1秒作文」。文字通り1秒で日本語を英語に訳す練習だ。

 例えば…

昨日は8時に夕食を食べた
I had dinner at eight yesterday.

海外ドラマはたった350の単語でできている

 ここでは難しい文章は使わない。なぜなら、実際の会話では、「私(I)」と「あなた(You)」のことを話すわけで、まさに「作文」を書いているようなものだからだ。「シンプルで簡単」かつ「いつでも、どこでも」できて、「ゲームのように楽しいのに圧倒的な効果」が出ると聞けば、試すしかない。筆者も少しやってみたが、簡単な文章でも、少し悩むと瞬時に英語にできず、実際の会話のスピードを体感するのにピッタリの練習法だと感じた。本書の最後に練習問題が掲載されているので、空いた時間に試してみてはいかがだろうか。

 一方のリスニング力は、時間をかけて身につける必要があるが、こちらも海外ドラマを楽しみながら、効果的に進められる学習法が紹介されている。著者オススメの海外ドラマや映画も掲載されているので、家で過ごす時間に楽しく英語を勉強できそうだ。

文=松澤友子