吸血鬼ならぬ増血鬼×不幸少年による、純度120%のラブコメディ！

吸血鬼として落ちこぼれのかりんと、超貧乏な不幸少年・雨水の、かなりほほえましいラブコメディです。
一時期、吸血鬼モノにはまっていた私は、数々の吸血鬼モノを読んで来ましたが、こんな奇抜な設定の漫画は初めてでびっくりしました。
なぜならかりんは、月に一度血が増えちゃう増血鬼（ぞうけつき）なのです！

ごく一般的な吸血鬼の家に生まれたはずなのに、なぜか血が増えてしまうかりん。月に1度、増えた血を誰かに送りこまなければ大量の鼻血を出してしまうのです。
かりんは他の吸血鬼のように人間の記憶を消す事が出来ません。だからといって我慢して鼻血を出すと、貧血で倒れてしまうので、かりんの身体にはとっても悪影響。その解決として、雨水くんが絡んで来るようなのですが、それは2巻以降のお話です。

個人的に、男子にすね毛が生えているところにびっくりしました!!　ともすればカットされがちな男性のすね毛を、ものすごく自然に描いてあるのです。どうでも良いことかもしれませんが、汚いものは見ない・描かない・映さない主義の漫画界に疑問を持っていた私にとってはかなり嬉しい発見でした（笑）

とまぁ冗談はさておき、主人公ふたりの可愛いこと可愛いこと。
なんと、かりんは、雨水に近づくと、本能的に反応して、時期でもないのに血が増えてしまうのです。だから雨水を避けようとするのですが、それが逆に気になる雨水くん（笑）
しかも、夜の公園でかりんがサラリーマンに抱き付いているところ（血を送っている）を見て、援助交際だと勘違いしてしまって淫らな行為を止めようと、さらに関わってきたり。鼻血を出したあと、「秘密にして…」と倒れたかりんの主張通り、事後処理して家まで送ってくれる雨水は本当に良い子で涙が出ます。

微笑ましいラブコメだけど、人間と化物という、越えられない壁がドーンとあるので、そう簡単に行くわけでもないのです。しかも、巻を追うごとにその問題は膨れ上がります。かりんの増血の秘密まで明らかになって、ストーリーは段々と深まっていきます。
ただのラブコメでは終わらない。アイデア抜群の増血鬼系純愛ストーリーを、どうぞお楽しみください。