愛すべき男子高生と女子高生たち!思わず吹き出してしまうおすすめの爆笑アニメ4選(後編)

マンガ

公開日:2020/8/31

 前編でご紹介した『銀魂』『荒川アンダーザブリッジ』に引き続き、外出自粛中の今だからこそ、気分をアゲる爆笑必至のアニメをご紹介したい。基本的には連続ものではなく、一話完結型の観やすい作品をそろえたので、まずは1話だけでも試しにいかがだろうか。面白さのあまり、思わず吹き出し、自然と笑ってしまうはずだ。

どんなバカなことでも、俺たち男子高校生は全力投球!『男子高校生の日常』

男子高校生の日常
『男子高校生の日常』(山内泰延/スクウェア・エニックス)

 男子なら、学生時代、道に落ちている木の棒を拾って、勇者ごっこに興じた経験は一度くらいあるはずだ。形のいい棒が転がっていれば剣に見立ててしまうのが、男子という生き物の性。そんな、バカバカしくも愛らしい男子学生たちの日々を描いたアニメが『男子高校生の日常』だ。

 実際に第2話の「男子高校生と旅立ちの朝」では、真田北高校という男子校に通う、男子高校生・タダクニが道端の木の棒を拾い、仲良しのヒデノリ・ヨシタケとともに、さながら「ドラクエ」のような勇者ごっこを楽しんでいる。タダクニが木の棒をつかんだ瞬間、ヒデノリは傘で斬りかかり、それに棒で応戦するタダクニ。ヒデノリを打倒すと、ヨシタケの口から「こうして、剣士タダクニの最強への道がはじまったのである」と大げさなセリフが飛び出す。

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 こうした、ある種のくだらない、男子高校生のやりとりを、1回の放送で5話~7話ほどに区切り、テンポよく描いていくのが『男子高校生の日常』の特徴だ。全編通して恋愛要素はほとんどなく、なかにはただひたすら語り合っているだけの回も存在する。しかし、彼らの軽妙な会話につい吹き出してしまうという人は視聴者の中で続出しており、原作のコミックスも、累計230万部を突破するベストセラー作品である。

 缶けりや、勇者ごっこ、ゲーセン、一発芸などに全力投球する彼らを見ていると、「バカだなぁ」と笑ってしまうが、同時に、どこか懐かしさも感じてしまう。すでに、社会に出ている大人なら、本作を観ながら不思議なノスタルジーを覚えることにもなるだろう。

 数ある話のなかで、とくに第12話の「男子高校生と店員」は、学生ならではの自意識の過剰さを反映しているエピソードで、非常におすすめだ。美少女フィギュアのUFOキャッチャーに挑戦するヒデノリは、これ以上時間をかけると「そうまでしてフィギュアほしいのか、お前…」と周囲から冷ややかな目で見られるのではないかと警戒していた。そんななか、ヒデノリの後ろに店員さんが来てしまい…。という男子高校生の羞恥心をえぐる、すばらしいエピソードなので、ぜひチェックしてみてほしい。

個性の押し売りがすごい! 女子高生たちのキャラがさく裂する『女子高生の無駄づかい』

女子高生の無駄づかい
『女子高生の無駄づかい』(ビーノ/KADOKAWA)

「すごい女子高生になって、すごいモテたい」という夢を持つ、「バカ」というあだ名の女子高生・田中望(たなかのぞむ)。アニメ・漫画が大好きな「ヲタ」というあだ名の菊池茜(きくちあかね)。ポーカーフェイスで微生物学に興味津々な「ロボ」というあだ名の鷺宮(さぎのみや)しおり。この、「バカ」「ヲタ」「ロボ」の3人を中心に、さいのたま女子高校で繰り広げられる、個性豊かな女子高生たちの青春をコメディタッチで描いた作品が、『女子高生の無駄づかい』である。

 どのあたりが「無駄づかい」なのかというと、登場する女子高生の全員が、強すぎる個性を持ち、それゆえに、けっして恋愛展開にならないところだ。ヒロインのバカは、「すごいモテたい」という願望を持っているにもかかわらず、間違えて女子高に入学してしまったのである。バカのあだ名が、「バカ」たる理由が、おわかりいただけただろう。しかも、バカはモテたいと言いつつ、朝から教室で「ニラ餃子味」のポテチをバリバリ食べ、周囲に悪臭をばらまいている。要は、理性よりも、本能に忠実な女の子なのである。

 そのほか、「ヤマイ」というあだ名の山本美波(やまもとみなみ)は、極めて重度の中二病患者だ。髪を金色に染めており、それは本人いわく「アルターニャ王国民とドラゴニア民族のダブルだから」らしい。さらには、体中に包帯を巻いており、何かの力を封印している…と思い込んでいるようだ。

 染谷(そめや)リリィは、モデルのような美しい容姿を持っているが、男性に触るとアレルギーが出てしまう体質の持ち主でもある。ちなみに、どういうわけか、女子高生であるはずのバカに触れられても、アレルギー反応が出て、全身にブツブツが現れてしまう。どうやらリリィの皮膚は、バカを男として認識しているらしい。

 このように、各々、特殊な個性を持っており、魅力的ではあるものの、男子との交流はほぼ皆無に等しい。だから恋に発展しないのだが、愉快に過ごす彼女たちの日常は、観ていてとても楽しい。

 なかでも、筆者としては、リリィが初登場する第5話がおすすめだ。小悪魔的性格のリリィは転校して早々にスクールカーストの上位に君臨しようとするが、予測不能なバカによって、調子が狂わされてしまう。犬猿の仲になってしまう彼女たちのやりとりに、思わず笑ってしまうこと抱腹絶倒間違いなしだ。第5話にはヤマイも登場し、中二病発言で担任の教師を困らせる。担任とのかみ合わない会話が、テンポのいいボケとツッコミの応酬になっており、2人の無意識に成立している漫才のようなやりとりにも、ぜひ注目してもらいたい。

 さて、今回紹介したギャグアニメのなかで、気になった作品はあっただろうか? どれも、観たら、クスクス笑い、ゲラゲラ笑い転げる、そんな抱腹絶倒の作品ばかりだ。コロナ禍で運動もなかなかできないいま、アニメを観ながら、家のなかでたくさん笑って免疫力を高めてみてはいかがだろうか?

文=木島祥尭