団塊の世代は美しく老いることができるのか? そのヒントはこの本に!

更新日:2012/6/27

定年で男は終わりなのか

ハード : PC/iPhone/Android 発売元 : 主婦の友社
ジャンル:小説・エッセイ 購入元:BookLive!
著者名:諸井薫 価格:486円

※最新の価格はストアでご確認ください。

敏腕雑誌編集者として有名でかつ作家だった著者は2001年に逝去されましたが、作家として最後の著書『老いの気概』のひとつ前になったのがこの本です。

自身の体験から、男という生き物は現役を辞めたら孤独の穴の中だとし、美しく老いることは難しいと語っています。とはいえ豊かな晩年を過ごすためにどうしたらいいかについてが本書の内容です。

advertisement

「年齢のサバを読む」「長生きも楽ではない」「老いてなお遊び人を心掛けよう」「自分史について」などウィットに富んだ多くのサジェッションが書かれています。特に死への準備について、著者の交流のあった川上宗薫、山口瞳、江國滋などの著名な作家がガンになった時、文芸人としては、何がなんでも生にしがみついていたいというタイプではなかったとのこと。むしろ、作家として自分の死と向き合うという絶好のネタを手に入れ、舌なめずりしたくなるような絶好球に食いついていくバッターの心境に似ているという心境になってしまうところが、この職業としての“業”であると指摘しています。

最後まで、仕事なんですよね。かくいうレビュアーである私も23年勤めた会社を早期退職するという道を選びましたが、定年という概念とはほど遠く、著者が指摘されているように最後までジタバタしているタイプだと自分で感じています。

団塊の世代が本格的に定年を迎えていますが、美しく老いることを実現される方は多くいらっしゃるでしょうか? 人数が多く、社会でも会社で競争が激しくて大変だったけれども、経済の面で相対的に恵まれていたといわれる世代。大変僭越ですが、できれば若い世代のためにもうひと肌脱いで社会に貢献していただいて、美しく老いる方が多くなるよう願っております。


“ハッピーリタイアメント”という概念と日本の定年はどうも違うようです

最後までペダルを踏み続ける人生に、自分も同じだと共感!

日本人には「平穏な余生」はないと切り捨てます

妻は夫と違うネットワークで生きている。よく聞く話ですね
※画面写真は電子文庫パブリのものです