「半沢直樹」最終回での伏線回収がココまで絶賛される理由。7年越しのモヤモヤは…

エンタメ

公開日:2020/10/3

『日曜劇場半沢直樹 公式ブック』(講談社:編/講談社)

 俳優の堺雅人が主演を務めるドラマ「半沢直樹」(TBS系)の第10話・最終回が、9月27日に放送された。視聴者からは、“7年越しの伏線回収”に歓喜の声があがっている。
 
 前回の第9話では、政界のドン・箕部幹事長(柄本明)を追い詰めるための決定的証拠が、大和田(香川照之)と中野渡頭取(北大路欣也)によって、箕部の手に渡ってしまい、半沢は大激怒。「やられたら、やり返す。3人まとめて1000倍返しだ!」と宣戦布告していた。
 
 しかし今回の展開で、頭取の行動には裏があったことが判明。件の資料だけでは箕部の不正を暴けないため、あえて箕部に渡すことで懐に飛び込み、最も重要な証拠である「隠し口座のありか」を探ろうとしていたのだ。このことに感づいた半沢に対して、頭取はかつて、半沢が大和田の不正を暴いた件についても、裏事情を明かしていく。
 
 2013年放送の前作「半沢直樹」では、大和田の不正を暴いたにもかかわらず、半沢は子会社である東京セントラル証券へと出向を命じられ、大和田はただの降格処分という不自然な結末で終わっていた。

前シリーズの“モヤモヤ”がやっと解決する…?

 頭取は、まず大和田を銀行内に残した理由について、合併後の混乱を抱えた行内の融和と、旧東京第一銀行(旧T)の問題融資の実態を調べさせるためだったと告白。また大和田のことを、「彼は超一流のバンカーだ」「ここで終わらせては大きな損失だと考えた」と評した。

 そして半沢を出向させた理由については、役員会議で大和田に土下座をさせたことがやりすぎだったと指摘。そのうえで、あの時半沢があのまま銀行に残っていたら、大和田の派閥の者たちから目をつけられると考え、外へと出したのだ。また、出向先に証券会社を選んだ理由は、「この世界で生きていくなら、証券を知ることは必ず君の力になる」と、考えたためであり、頭取は半沢のことを「君はいずれ頭取になる男だ」と評すなど、すべては半沢のことを想っての行動だったことが判明した。

advertisement

 2013年の最終回では、倍返しを達成した半沢がなぜ出向になったのか、ネット上でさまざまな憶測が立っていた。そして今回、7年の時を経てこの謎が解明されたことで、シリーズのファンからは「7年越しの伏線回収とはスゴイドラマだ。これを超えるドラマはなかなか出ないだろうな」「半沢が出向で終わってこの7年間ずっと腑に落ちないままだったのがついに解決した」「7年越しに半沢の出向と大和田の残留の理由が聞けると思わなかった…もう感無量」「最終回で見事に回収されてもう爽快さたるや。圧巻」「非常にモヤモヤしたまま7年。最終回でスッキリしました」といった喜びの声があがっていた。

 7年越しにやっと、「半沢直樹」が完結したといってもいいだろう。

【こちらもあわせて読みたい】

▶ドラマ「半沢直樹」を原作小説と比べてみるとこんなにおもしろい!