副業をどうやって始める? コロナ時代の女子の副業「3つの典型的パターン」とは

ビジネス

公開日:2020/10/13

女子の副業 夢もお金も諦めない
『女子の副業 夢もお金も諦めない』(滝岡幸子/青春出版社)

 新型コロナウイルスによって在宅・テレワークが導入され、「副業」という言葉が随分馴染み深いものになった。今までは副業すると業務規程違反になるというケースも多かったが、近年では続々解禁されている。今後ますます、副業や複業(複数の職業を持つこと)は一般化していくだろう。

『女子の副業 夢もお金も諦めない』(滝岡幸子/青春出版社)は何かと変動の多い女子の人生、すぐにでも始められる副業にフォーカスした本である。中小企業診断士・経営コンサルタントで、2000年代から「ひとり起業塾」の主宰もしている著者が、副業が気になっている・副業を始めたい人向けに副業の種類からどんな人が向いているのか、始め方などのノウハウを教えてくれる。

生涯現役を目指して! 副業は人生の楽しみ方を増やす選択肢

 就業時間以外で仕事をする「副業」は、収入源を複数持つことにつながり、残業代の大幅カット、派遣切りといった不測の事態にも対応しやすくなる。また本業でできないがやりたいことに挑戦してみるなど、自分のライフプランやキャリアプランの助けにもなってくれるものだ。副業は種類も方法も様々であり、まずは自分が何をやりたいのか・何を持っているのかを把握することが大切である。

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 ライフプランやキャリアプランと言われたって、自分はもう若くないし……と思うかもしれない。しかし2019年、女性の平均寿命は87歳となった。今40歳の女性は、あと40年以上生きる可能性が高いということだ。「生涯現役」を貫きたいと思ったら、いくつだろうと関係ない、と著者も言う。

 例として、2017年に話題になった、60代からパソコンを始め、プログラミングを学び80代でスマートフォンゲームアプリを開発した若宮さんという女性を挙げている。ニュースなどで見かけた人も多いのではないだろうか。彼女も20年パソコンを触り続けて開発に至ったのである。

「ワクワクすること」であれば、何歳からはじめてもOKなのだと思います。

 コロナ時代だからこそ、思い切って挑戦できるとも言えるのではないだろうか。

何から始める? 3つの典型的パターンからまず考える

 著者曰く、副業を行う人には、基本的には典型的な3パターンがあるそうだ。

・「本業の延長」型……本業のスキルをそのまま活かす。
例)美容院に勤務する美容師が休日に出張ヘアカットを行う
・「本業とシナジー」型……本業に近い分野で、スキルを活かした副業を行う。
例)看護師が介護士の資格を取って介護と医療に関するセミナーを行う
・「本業とは別の顔」型……全く違う業種を選ぶ。
例)企業の総務部に勤務しながら、週末は占い師

 新しいことを始めたいのか、スキルを磨きたいのか……重要なのは自己分析。とにかくお金を稼ぎたいのか、楽しければ良いのか、本業で活かせていないスキルを発揮したいのか。やってみたい職業への第一歩というケースもある。実際に報酬は少なくとも尊敬する人に弟子入りし、副業でアシスタントとして経験を積んでから独立したという人もいるそうだ。とはいえ堅苦しく考える必要はなく、「こんなことがやりたい」「こういうふうになりたい」と、思うまま書いてみれば良い。難しいと思うかもしれないが、

1 (今の仕事にとらわれず)やってみたい仕事、いつかチャレンジしたい仕事をなるべくたくさん書き出してみてください。
2 過去にやってみて楽しかった仕事、好きだった仕事は何ですか?(アルバイト含む)
3 あなたが「楽しいと思うこと」「好きなもの・こと」な何ですか?

 など、本には質問が載っているので、順番に書き出すだけで自分が何をしたいかある程度絞りこめる。中には「いくら稼ぎたいか」といったリアルな項目もあるので、自分に無理のない範囲でどう行っていくか、具体的なプランが徐々に見えてくるだろう。

 また、副業に向いているどんな仕事があるのかを5パターンに分類して紹介してくれている。家でしかできないのか、どこかに赴いて仕事するのか、はたまた出店などを行うのか。場所も仕事の内容や自分の状況によってさまざまである。副業するには、自分の仕事の休日スケジュール、予算など、考えることは多い。場合によっては確定申告が必要になったり、保健所などへの申請が必要だったり、という気をつけるべき注意事項もある。こうした情報も逐一載っているので、この一冊があれば副業について基本の内容は押さえられるだろう。

不安になっているだけではもったいない!「今」も「未来」も楽しもう

 私の知人の奥様は、新型コロナウイルスで亡くなった。明日がどうなるかもわからない時代。不安は不安だが、逆に「後悔したくない」と強く思うようになった。やりたいことがある人、キャリアアップを目指したい人。または子育てが一段落し、仕事に復帰したい人。いろいろな事情があるとは思うが、ある意味では、この時代はチャンスなのかもしれない。「一生現役」を目指す第一歩を、副業で踏み出してみるのは素敵な選択である。もしかしたら、あなたに新しい世界を連れてきてくれるかもしれない。

文=宇野なおみ