生産性が驚くほど上がる! 目からウロコの「やらなくていいこと」を見つける方法

ビジネス

公開日:2020/10/19

超プロの工程管理コンサルタントが教える 残業ゼロ社員の「やらない力」
『超プロの工程管理コンサルタントが教える 残業ゼロ社員の「やらない力」』(小川哲也/合同フォレスト)

 仕事のスピードや効率は、ビジネスパーソンであれば常につきまとう課題だろう。しかし、自分のペースでスムーズに進むことばかりではなく、職場ではイレギュラーな場面も多々ある。先輩や上司に雑用を押し付けられてイラッとしたり、ダラダラとした長い会議に嫌気が差したりと、さっさと仕事をこなしたいのに思うようにいかないと感じている人たちも少なくないはずだ。

 必要なのは「やるべきこと」へいかに集中するかであり、実践するには「やらないこと」を決めるのも大切。それさえ心がければ、今いる職場でも転職せずに「5年間で年収10倍」を達成できるというのは、ビジネス書『超プロの工程管理コンサルタントが教える 残業ゼロ社員の「やらない力」』(小川哲也/合同フォレスト)である。

まずは「5年後」「3年後」「1年後」の目標を決める

 業務時間内に仕事が終わらない。何かをやらされてばかりでモチベーションが上がらないなど、それぞれ色々な悩みを抱えているかもしれないが、真に変化を求めるならば、まずは「目標の設定」をしてみようと著者は主張する。

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 業種を問わず、ビジネスに必要なのは「生産性」だ。しかし、大なり小なり目標がなければ自分がどれほど頑張ればよいのかがみえなくなるし、行動へ移すことも難しくなる。そこで、著者は「5年後」「3年後」「1年後」の目標を設定してみようと提案する。

 目標と聞くと難しく考えてしまうかもしれないが、身近なものでもかまわない。経済的なことや自分自身のキャリア、家族や恋愛など、何でもいい。ただ、心がけておきたいのは「目標達成の最終期限」を設定することだ。自分の時間をコントロールするために、自分自身に対する「締切り」を意識させることができれば、未来に向けた原動力になりうる。

「やらなくていいこと」を見つけるのが近道

 時間は有限である。仕事が山積みでも、1日はどうあがいても24時間しかない。限られた時間の中で、生産性を上げるためにはタスク管理が必須だ。そして、多くの人が「やるべきこと」に目を向けがちだが、まずは「やらなくていいこと」を探すことが大切だ。目標到達に向けて「やらなくていいこと」を洗い出せば、本当に「やるべきこと」がみえてくるという。

 著者は本書で、みずからの失敗を明かしている。ある日、売上げに繋がる客とのアポイントを13時に取っていたが、上司から「この書類を13時までに作成しろ」と指示され、結果として約束をすっぽかしてしまった。当時、自分自身で「自分の収入を10倍にする」という目標を掲げていたにもかかわらず、やらなくていいことに振り回された過去への後悔をにじませている。

 やらなくていいことを見つけるのは難しそうだが、解決する方法はいたってシンプル。リスト化してみることだ。必要に駆られてやっていること、モチベーションの上がらないことなどを、とにかく書き出してみる。それを実践することで、逆説的に自分にとって「やるべきこと」もみえてくる。

スケジュール管理では「締切り」を常に意識する

 時間を上手く使うためには、スケジュール管理も欠かせない。手帳やアプリを使って日々のスケジュール管理をしている人たちは少なくないかもしれない。

 まず、スケジュール管理で心がけておきたいのが、工程の一つひとつにしっかりと「締切り」を記入することだ。著者は本書で「締切りは、人類が生んだ偉大な発明である」という実業家の言葉をたびたび引用しているが、自分から具体的な日付を入れるだけでも目標達成へ近づけると主張している。

 また、それに合わせて使いこなしたいのが毎日の「ToDoリスト」だ。著者がすすめるのは、15分単位で記入する方法。起きてから寝るまでの時間に、自分が何をするべきか。それこそ仕事に限らずプライベートの項目もできる限り書き出して、習慣付けられるようになれば「目標にたどり着くための答え」がみえてくる。

 公私問わず、思い描いていたとおりに物事が進まず、毎日の生活がしんどいと感じている人たちもいるかもしれない。しかし、これから先の人生はきっと変えられる。本書を通して、ひとりでも多くの人に理想とする未来の自分を手に入れてもらいたい。

文=カネコシュウヘイ