ナノマシン管理士にVRスクール教師…!? 将来の子どもたちが就くかもしれない“今はない未来のお仕事”ガイド

出産・子育て

公開日:2020/12/2

大人は知らない 今ない仕事図鑑100
『大人は知らない 今ない仕事図鑑100』(上村彰子:著、「今ない仕事」取材班:著、澤井智毅:監修、ボビコ:イラスト/講談社)

 2015年の野村総合研究所発表によると、人工知能の進歩によって、「あと10~20年で49%の仕事がAIやロボットに代替される」といわれていました。日本では働き手が減り、超少子高齢化社会になるともいわれます。誰もが気がかりなのは自分の仕事がこの先どうなっていくのか、そして子どもの将来ではないでしょうか。未来では、どんな仕事が必要とされるのでしょう?

『大人は知らない 今ない仕事図鑑100』(上村彰子:著、「今ない仕事」取材班:著、澤井智毅:監修、ボビコ:イラスト/講談社)は、未来の地球を予測して、将来的に生まれてくる新しい職業を紹介するガイド本です。

 例えば、バイオ3Dプリンタで臓器移植用の臓器を製造する医療デザイナーや、クリーンエネルギーを動力とするエコカーで速さを競うエコカーレーサーなど、SF映画に出てくるような職業も決して空想ではありません。

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 未来予測のヒントが、世界各国が共同目標とする「SDGs:Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」。貧困や飢餓、教育、健康などの17項目について不平等をなくそうという国際的な取り組みです。将来的にその「SDGs」関連の需要が増えるといいます。

 各国が目標とするクリーンエネルギー社会を実現するためには、バイオマス発電の効率のいい原料を探す研究者が必要です。例えば、香川県では廃棄される年間1000トンのうどんで発電する「うどん発電」が実用化されています。さまざまな廃棄物からエネルギーを取り出す研究が世界中で注目されています。

 環境汚染の解決には、海中のゴミを回収するロボットの操縦士、そのゴミをリサイクルした素材で人が暮らせる海上都市を作る建築家、食料となる海洋植物や水生生物を飼育する海洋農家など、廃棄物を次の発展へ繋げる発想やビジネスが期待されています。

 医療分野では感染症などの流行を予測して、いち早くワクチン開発や予防対策を促すウイルストレンド予報士、体内に入るほどの極小機械をコントロールして怪我や病気を治療するナノマシン管理士、ロボット義肢を作るサイボーグ技師など、新たな職種が生まれる可能性があります。

 ネットを介した仕事では、遠隔地から授業を行うVRスクール教師や、バーチャルな空間に古い時代の景色や失われた場所を再現する仮想空間アーティスト、自宅にいながらアバターを介して旅行を楽しませる観光ガイドなどがあります。将来の子どもたちは、バーチャルな学校に通い、仮想の観光地へ修学旅行に行くのかもしれません。夢が広がります。

 未来の仕事選びで重要なのは、本人がワクワクする仕事を見つけることだといいます。ソニー生命保険が行った調査では、自分の将来を具体的に考えている中高生は19.5%とのこと。自分の子どもの将来に不安を抱く大人も多いでしょう。ですが、その子どもたちが大人になる頃には、今はない仕事が選択肢にあるのかもしれません。

 未来は悲観することばかりではありません。本書を片手に、お子さんと一緒に楽しく将来を考えてみてはいかがでしょうか。

文=愛咲優詩