宇垣美里の美肌をつくる溺愛コスメ本の中身が凄い! あの時、みどりのマスカラを選んだわけ

健康・美容

公開日:2021/1/1

宇垣美里のコスメ愛
宇垣美里のコスメ愛』(宇垣美里/小学館)

 宇垣美里という女性は、とても不思議な人だ。可愛らしいアナウンサー、ラジオも任せられるアナ、コスプレもするオタク気質……最近では中国映画『羅小黒戦記』でアニメ声優に挑戦し、活躍の場をさらに広げた。そして何より、女性誌で披露された「コスメマニア」ぶりは世の女性たちにすっかり浸透した。このたび満を持して『宇垣美里のコスメ愛』(宇垣美里著・小学館)が出版された。コスメや美容に対する熱心さは元局アナの美容本というより、プレゼン資料を読んでいるような気持ちになった。

メイクの土台となる肌へのこだわりがすごい!当人の溺愛コスメをすっぴんで披露

 本書には朝・昼・晩のリアルスキンケアが紹介されているのだが、熱量と品数が凄まじく、美容雑誌でも名品と称賛されるものが並ぶ。こっそり計算してみたらトータルで20万円ほどに……。コメントも実際に使用しているからこそ語れるものばかりで、「自らで実験」の言葉通り、貪欲な姿勢で日々様々なメイクを試しているのだとひしひしと感じる。

 正直「ここまでするのか~!」と日頃スキンケアをしているはずの同性の目から見ても驚くほどのこだわりだ。すべてを真似することは到底できないが、お墨付きのアイテムをつい試してみたくなる。

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 セルフメイクとプロによるメイクがたっぷりと紹介され、取り入れやすいテクニックが多いのも嬉しいところだ。

みどりのマスカラをつけたアナウンサー

 後半、「宇垣美里の精神論」というチャプターで彼女自身のコラムがある。報道記者になりたかったくらいもともと文章を書くのが好きだったそう。彼女から発せられる言葉はとてもはっきりしていて、まっすぐに読者の心に飛び込んでくる。

 局アナ時代は、コスメやスキンケアが自分に力をくれていたというエピソードも。

どんなに辛いことがあっても下を向くことができない仕事。テレビの中の自分と生身の自分とのギャップに苦しむこともありました。そんな中、自分を支えるために選ぶコスメアイテムはみどりのマスカラやボルドーのアイライナーなど、ささやかだけど、ちょっとエッジのきいたものたち。

 テレビの画面越しではわからないかもしれないが、「私のマスカラはみどりだもん」とこだわりのメイクで「武装」していたのだとか。「女子アナメイク」と呼び名があるほど、女子アナ(この言い方自体、令和にふさわしくないかもしれない)のメイクは万人受けを目指す好感度が高いものだ。しかし、彼女はそうしなかった。みどりのマスカラを貫くのは会社員としてはなかなか大変だったのではないだろうか。とてもしなやかな強さだと思う。

 そんな彼女だって古臭い考え方に辟易して凹むこともあるそうだが、ぼんやり受け止め、忘れることにしているそうだ。

私の限りある脳の容量は、かわいいコスメや美味しいチョコレート、旅先で見た美しい景色のためにとっておきたいから。

 自分の好きなものを把握し、どうすれば機嫌よく生きられるのかを把握している人は、人生を楽しめる。約150ページの本には、「好き」がぎっしりと詰まっていた。

私たちはどこにだって行けるし、なんにだってなれる。

 あとがきにあるこの言葉通り、会社員の枠を飛び出し、自らの力で道を切り開く宇垣美里。その魅力を、たっぷり味わってほしい。

文=宇野なおみ