戦争を否定する前に、まずはその本質を見極めよ

公開日:2012/7/20

戦争論 -まんがで読破-

ハード : PC/iPhone/iPad/WindowsPhone/Android 発売元 : イースト・プレス
ジャンル:コミック 購入元:eBookJapan
著者名:クラウゼヴィッツ企画・漫画 価格:400円

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クラウゼヴィッツの残した「戦争論」。
それはどうやら漫画というメディアに説明の場所を移しても、少々難解なものだったのかもしれません。作中では本人自らが自身の論説が当時あまり認知されなかったことを嘆いていましたが、さてそんな「戦争論」とはいかにということなのですが…。主に「戦争とは何か」というのがメインテーマです。

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クラウゼヴィッツは当時、フランスのナポレオンが欧州で猛威をふるっていた時代にプロイセンの軍人として活躍していました。いわゆる後の「ドイツ」となるわけですが、この頃はフランスに押され気味でした。国家総戦力という新しい概念、「ナショナリズム」という今までにない体系で国をまとめ上げたナポレオンに衝撃を受けたクラウゼヴィッツは戦争のあり方というものを見つめ直すことになるのですが……。

時代の流れと共に変化を見せる戦争ですが、「何故起こり」「どのように戦い」「どう終わらせるのか」という部分はきわめて普遍的なものであると作者は論じています。おそらくはその部分というのは読者が1番知りたいと思う項目なのではないでしょうか。

「戦争なんて嫌いだ」とむやみに反対の声を上げるのではなく、そのメカニズムときちんと向き合うことは必要です。時代の経過と共に戦争体験者は少なくなり、戦争に巻き込まれる可能性の少ない日本に住むのならなおさらに鈍感にならざるを得ないところでしょう。風化してしまうことは仕方のないことですが、いかにそこから教訓を得るかが私たちにずっとついて回る課題のような気がします。

本書はそんな「戦争とは何か」に真っ正面から答えてくれる良書になります。


ナポレオンの登場がすべてを決定的に変えてしまったのです

戦争のあり方についての2説

ナポレオンの強さの仕組みがここにあり

戦略の5要素こそが、勝敗を決定づける重要なキーになります

戦争の手順を優しく解説 (C)バラエティ・アートワークス/イーストプレス