「バカのアホ炒め」「食べればコロッケ」そしてあの伝説料理も収録! 平野レミさんの野菜“愛”たっぷりレシピ【つくってみた】

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公開日:2021/1/29

野菜の恩返し
『野菜の恩返し』(平野レミ/主婦の友社)

 レシピをネットで検索することが多い筆者だが、久々に「これは手にしておきたい!」というレシピ本を見つけた。料理愛好家としてメディアで活躍する平野レミさんの最新著書『野菜の恩返し』(平野レミ/主婦の友社)だ。

 平野レミさんといえば、いつも明るくハイテンションなキャラクターで私たちを楽しませてくれる。紹介する料理も豪快&キテレツなものが多いイメージだ(つい最近も『モニタリング☆クッキング』で星野源さんが持っていたフライパンに向かって小麦粉を大胆に投げ入れ、Twitterで話題になっていた(笑))

 でもレシピをひとつひとつ見ていくと、その中身は「時短」「簡単」のオンパレード。野菜もたっぷり使われていて、まさに“忙しい現役世代の救世主”といえるものばかりなのだ。今回はそんな本書の中から愛され続ける話題のレシピを3品ご紹介。まずはあの伝説のレシピからどうぞ!

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“放送事故”といわれた衝撃の料理 「ブロッコリーのたらこソース」(p.13)

野菜の恩返し

 ブロッコリーを丸ごと皿の上にドーンと立てたこの光景に見覚えのある人は多いかもしれない。過去にテレビで紹介されたときは、ブロッコリーが倒れてしまい「放送事故!」とネットを騒然とさせたレシピだ。

 作り方はブロッコリーの根元を切り落とし、茎の皮をむく。耐熱ボウルにブロッコリーを丸ごと立て、上に小さく切ったバターを散らし、水を入れてラップをかけ、電子レンジで7分加熱する。たらこソースはフライパンにバターと小麦粉を炒め、牛乳を加えてとろみがついたらたらこを加える。器にブロッコリーを立て、ソースをかければできあがり。

 実際に作ってみると10分足らずでできる簡単レシピ。インパクト大な見た目とは裏腹に、ほんのりバター風味のブロッコリーとクリーミーなたらこソースはやさしい味わいだ。頭でっかちのブロッコリーだけにバランスを崩して倒れてしまうこともしばしば…(笑)。でも味は変わらないのでご心配なく!

バカみたいに簡単にできる「バカのアホ炒め」(p.20)

野菜の恩返し

「スペイン語でバカは牛、アホはにんにく。だからこのネーミング」とレミさん。こちらは5分でできる超時短レシピだ。

 作り方はバターとサラダ油を入れたフライパンで薄切りにしたにんにくをきつね色になるまで炒めて取り出す。次に牛薄切り肉をさっと炒めてしょうゆと塩・こしょうで調味し、器に盛ってにんにくを散らせば完成。

 グリーンカールなど好みの葉野菜で巻くと、生野菜がたっぷり食べられる。シンプルな味付けでご飯にもパンにも合いそうだ。にんにくがっつりレシピだが、ステイホームやテレワークが続く昨今は、翌日を気にせず食べられる日も多いはず。牛肉はお値打ちの切り落としで十分だ。

口に入れればおなじみの味! 「食べればコロッケ」(p.24)

野菜の恩返し

 最後は人気の“食べればシリーズ”から1品。食べればシリーズは“口の中で帳尻が合えばいい”という発想のもと、ひとつひとつ包んだり、煮込んだり、揚げたりという面倒な手間を一切省いたレミさんの代表レシピだ。

 作り方は、じゃがいもはよく洗い、皮つきのままラップで1個ずつ包んで電子レンジで12分加熱。熱いうちに皮をむき、フォークでつぶして塩・こしょう、バターを加えて混ぜる。じゃがいもをレンチンしている間に、フライパンでみじん切りの玉ねぎ、合いびき肉を順に加えて炒め、酒、塩・こしょう、ナツメグで味を調える。器にキャベツの千切り、じゃがいも、ひき肉の順に盛り、砕いたコーンフレークとパセリをかけてできあがり。

 ソースをかけて食べてみると…コロッケそのもの! 衣代わりにかけたコーンフレークの食感が小気味よく、揚げていないので普通のコロッケよりヘルシーなのもいい。調理にかかった時間はトータルで20分ほどだ。

 ちなみにこのレシピは、レミさんの子どもが急に「コロッケが食べたい」といったときに作ったアイデア料理なんだそう。本書を読んでいると、レミさんの料理には家族のために作られたものがたくさんあることが分かる。ゆえに、どの料理にも野菜がたっぷり使われているのだ。

「野菜の声に耳をかたむけ、その性格を理解してあげると心にも体にもいいことたくさん。食べる人が元気になれば、きっと野菜だって喜んでくれると思うんです」(本書p.3より)。

 野菜をおいしく、楽しく変身させて、私たちを笑顔にしてくれる平野レミさんのレシピ。本書にはほかにもレミさん流の時短&簡単アイデアがたくさん! 忙しい人にこそ手に取ってほしい1冊だ。

調理・文=齋藤久美子

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