インスタの1投稿が1億のクリロナ。メッシが試合で「お散歩」するワケ。元Jリーガーで“東大監督”に就任した林陵平氏が語る海外サッカーのヤバイ話

スポーツ・科学

公開日:2021/2/10

Jリーガーが海外サッカーのヤバイ話を教えます
『Jリーガーが海外サッカーのヤバイ話を教えます』(林陵平/飛鳥新社)

 新型コロナウイルスに感染後、「コロナは勇敢にも俺に挑んできた。悪いアイデアだな」とツイートしたズラタン・イブラヒモビッチ(ミラン)。

 インスタグラムへの1投稿で1億円を稼ぐと言われる、世界屈指のインフルエンサー、クリスチアーノ・ロナウド(ユベントス)。

 チャンピオンズリーグ決勝を前にしたミーティングに、パンツ一丁で登場して選手を大爆笑させたユルゲン・クロップ(リバプール)……。

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 上記は『Jリーガーが海外サッカーのヤバイ話を教えます』(林陵平/飛鳥新社)に登場するエピソードだが、海外サッカーのスーパースターたちは、プレーだけでなく日々の言動も型破りだ。

 彼らのそうした「ヤバイ話」は、セレブたちの日々の行動と同様、ゴシップ記事のような形で世界に拡散される。本書には、そうしたプライベートの小ネタ的逸話がこれでもか! と網羅的に掲載されているのだが、その著者が本書発売の1カ月ほど前まで現役のJリーガーだったというのもまたヤバイ。

 著者の林陵平氏は、Jリーグを継続して見ている人にはおなじみの選手だが、彼は一番の愛読書が「欧州サッカーの選手名鑑」という根っからの海外サッカーオタク。『DAZN』の公式戦ハイライトは全部(ほとんどじゃなく、全部!!!)チェック。試合中継に登場する際は、現役選手にもかかわらず「ゲスト」ではなく「解説者」と呼ばれるほど、海外サッカーの知見が豊かな人物なのだ。1月30日には「東京大学サッカー部」の新監督就任も発表され、サッカー関係者を驚かせた。

 そのため本書では、冒頭に挙げた海外サッカーの選手・監督の「ここがヤバイ」というエピソードだけでなく、プロ選手の経験や視点をもとにした「ここがスゴイ」というエピソードも多数紹介されている。

 たとえば現在のサッカー界で“世界最強のディフェンダー”と言われるファン・ダイク(リバプール)については、65試合で1回もドリブル突破を許さなかったという「1対1の強さ」に加えて、「ポジショニングの良さ」を強調。次のように解説する。

クロスやフィードが上がった際のFWとCBの競り合いというのは、とにかくボールに触れる前の位置取りが命。ここでいかに上手く身体を入れ、ボールの落下地点に先に入るかが何よりも肝になります。
ファン・ダイクはこの部分が抜群なので、相手よりもいつも先に飛べていて、だからこそボールを弾き返せるんです。

 こうした解説は、自身もFWとしてゴール前で身体を張ったプレーを続け、なおかつ海外サッカーを熱心に見続けてきた著者ならではのもの。

 そのほか、スーパープレーを連発する一方で、試合中はのんびり歩いている時間も目立つメッシについては、「スペースを見極めたり、仲間や敵のポジショニングを確認したりと、いわば『メッシ・リサーチ』をしているんです」と擁護。

 その解説に続いては、恩師のジョゼップ・グアルディオラ(現・マンチェスター・シティ監督)の「だからボールを受けた時には、時間とスペースの完璧なイメージが頭の中にある。つまりゴールへの道筋が見えているんだ」という言葉も引用されている。

 このように本書のプレー解説は、読んでいて「なるほど!」という納得感がものすごく高いのだ。そのため本書は、サッカーを見るだけでなくプレーもしていて、「もっとサッカーを上手くなりたい」と思っている人にも非常に有用な内容だ。

 そして著者はあとがきで「海外サッカーの楽しみ方」について、「顔がカッコイイとか、彼女さんが可愛いとか、ユニフォームや私服がオシャレとか、街が素敵とか、選手やチームに惹かれるキッカケは人それぞれ。とにかく、楽しんだもの勝ちです!」と書いている。冒頭に挙げたような、ゴシップ的な小ネタをもとに興味を覚えた人も大歓迎の1冊なのだ。

文=古澤誠一郎

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