ウソはこうやって見破る! 相手の様子・しぐさなどから本音を読み取る術

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公開日:2021/2/12

『10秒で相手の本音を見抜く本』(渋谷昌三/三笠書房)
『10秒で相手の本音を見抜く本』(渋谷昌三/三笠書房)

 誰しも、人の本音を見抜くのは難しい。だからこそ、相手の本音を見抜くことができれば、要らぬ衝突を防いで人間関係をより円滑なものにできる、ビジネスで成功しやすくなる、などの恩恵を受けられるかもしれない。

『10秒で相手の本音を見抜く本』(渋谷昌三/三笠書房)は、人の言葉以外のしぐさ、表情、目線といった非言語によってもその人の意識的、あるいは無意識的なサインを読み取ることができる、と説く。非言語の情報も合わせると、その人から得られる情報量は2倍になり、隠された本音がよりわかりやすくなる、という。

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 本書によれば、人の「信用できる反応」は、次の順番になる。

(1)自律神経信号
(2)下肢信号
(3)体幹(胴体)信号
(4)見分けられない手振り
(5)見分けられる手のジェスチャー
(6)表情
(7)言葉

 言葉や表情は、実はあまり信用ならない。つまり、本音を隠して表現しやすい。逆に、汗をかく、動悸がするなどの生理反応である自律神経信号はもっとも信用できる。これを生かしたのがウソ発見器だ。注目したいのは信用度上位の2番目と3番目に挙がっているのが下肢信号と体幹(胴体)信号であること。相手と向かい合って座っているとき、言葉や表情に注目するより、首の下の動きに注目するほうが本音を探りやすいのだ。

 例えば、下肢を次の4つのポイントでチェックすると、言葉や表情で得られない本音に気付けるかもしれない。特に男性で顕著だという。

(1)両足の開き具合
両足がぴったりと閉じているか、ゆったりと開いているか。両足の開き具合は心の開き具合に比例する。閉じていると受け入れる気持ちが低く、開いていると受け入れようとしてくれている。

(2)足の動き
落ち着きがあるか、ないか。落ち着きなく動いているようなら、気にかかることがある、イライラしているなどが読み取れる。

(3)足組み
足を組んでいるか、いないか。一般的に、足を組むのは緊張しているときのしぐさといわれている。

(4)腰かけ具合
椅子に深く腰かけているか、いないか。深く腰かけているとリラックス度が高く、浅ければ緊張度が高い。

 本書には、体幹や手に関する反応についても明かされており、相手の様子を複合的に見ることで、本音が得られやすいと考えられる。

 では、私たちが普段当てにしている言葉や表情からは、本音が得られないのだろうか。一概にそうともいえない。本書は、相手の目の動きで、考えていることを予想できる可能性がある、と述べている。

 ある実験によると、目の動きと、その人が想像しているイメージには、次のような関連性があるそうだ。

(1)視線が左上を向く
過去の体験、以前に見た光景を思い出している

(2)視線が右上を向く
今まで見たことがない光景を想像している

(3)視線が左下を向く
視覚にかかわるイメージ、音楽や声などを感じとっている

(4)視線が右下を向く
痛みなど身体的なイメージを感じとっている

 この特性を利用すれば、相手のウソを見破りやすくなる。

 本書の例を紹介する。「昨日の夜、どこに行っていた?」と質問したとする。相手は答えながら視線が左上を向いた(質問したあなたから見て右上を向いた)なら、「過去の体験、以前に見た光景を思い出している」ので、本当のことを言っている。

 しかし、答えながら視線が右上を向いた(質問したあなたから見て左上を向いた)なら、「今まで見たことがない光景を想像している」、つまり実際にはなかったことを想像しているため、ウソをついている可能性が高い。

 もし相手の視線が右上を向き、汗をかき、足の動きが落ち着いていなければ、「クロ」ということになりそうだ。

 マスク装着の日常はまだ続くのだろう。表情から情報を得にくい状況の中、下肢、体幹、手の情報から本音を汲み取れれば、よりストレスがない生活、仕事の成功を得やすくなりそうだ。

文=ルートつつみ(https://twitter.com/root223

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