キム・スヒョンほか豪華スター共演! 本物のテレビ局を舞台にした四角関係から目が離せなくなる韓国ドラマ『プロデューサー』

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更新日:2021/2/23

プロデューサー
(C)KBS media

 昨年Netflixで配信された『サイコだけど大丈夫』は大変話題になったが、その主演をつとめるキム・スヒョンの演技や独特のオーラに惹かれた人も多かったのではないだろうか。そんな彼の演技をもう一度見たい人にオススメのドラマとして、2015年に韓国で放送された『プロデューサー』という作品がある。

 6年前とちょっと昔のドラマではあるが、テレビ局を舞台にした小粋な演出や、人間関係の描き方はとても魅力的で今見ても十分面白い。

 物語は、ペク・スンチャン(キム・スヒョン)がテレビ局のKBSに入社したところから始まる。彼が入社をした理由は、大学時代の憧れの先輩が同テレビ局のバラエティ部門にいるから、というなんとも一途でロマンチックなものだ。ソウル大学出身で頭脳明晰、おまけに男前というなんとも恵まれた男だが、どこかぼうっとしていて、世間知らずで、つかめない男である。

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 そんな彼は意気揚々とテレビ局に入社した直後、憧れの先輩にすでに恋人がいることを知る。おまけにその相手は、自分が担当する番組のメインプロデューサー・ラ・ジュンモ(チャ・テヒョン)という仕打ち。その上、入社当日にジュンモの幼馴染であり、他番組のプロデューサーであるタク・イェジン(コン・ヒョジン)に父親から借りていた車を事故とはいえ傷つけられるという、なんともツイていない社会人生活のスタートとなってしまう。しかし、ドラマはそんな不思議な縁から視聴者が思いもしていないような方向へと進んでいく。

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 ドラマの肝になるのは、人気絶頂アイドル、シンディ(IU)の存在だ。最初こそ、単なるワガママなアーティストとして登場していたものの、次第に彼女が背負っているものや隠していた過去などが明らかになるにつれて、彼女に対する印象は変わっていく。また、彼女は途中からスンチャンに恋をするのだが、恋をしているときの素直になりきれない彼女の演技が大変愛らしくてときめく。

 一方で、スンチャンは先輩であるイェジンに次第に惹かれるようになる。ドラマの冒頭で車を傷つけたことで生まれた縁により、だんだんとふたりの距離は縮まっていくが、そこには一筋縄ではいかない大きな壁がある。彼の上司であるジュンモはイェジンと数十年来の幼馴染であり、さらには次の引越し先の入居日までの調整のためという理由でイェジンは彼と同居までしている。しかも、彼女はジュンモを密かに好いているというから、もう勝ち目なしである。

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 王道のドラマであれば、最初に嫌な印象から始まったふたりの関係が次第に近づき、カップルになるというのはよくある話である。しかし、この作品ではジュンモというあまりに強すぎるライバルや、ヒールにしてはあまりに魅力的なシンディの存在など、スンチャンの恋が叶うのかどうか最後までわからないのも面白い。果たして誰と誰が結ばれるのか、大きなトラブルはなく、終始穏やかな調子で進むドラマだが気になって目が離せない不思議な作品だ。

文=園田もなか

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