【シリーズ累計1200万部突破】後宮に勤める少女の痛快ミステリー『薬屋のひとりごと』を読書メーターユーザーはどう読んだ?

文芸・カルチャー

公開日:2021/2/22

※「ライトに文芸はじめませんか? 2021年 レビューキャンペーン」対象作品

薬屋のひとりごと
『薬屋のひとりごと』(日向夏/主婦の友社)

 後宮に勤める少女が王宮内の事件を薬学の知識で解決していく痛快ミステリー『薬屋のひとりごと』(日向夏/主婦の友社)シリーズの人気が止まらない。小説投稿サイト『小説家になろう』から誕生したこの作品は、小説版とコミカライズ版もあわせて、シリーズ累計1200万部を突破。特に、小説版は現在、最新10巻が刊行され、多くの人が物語の行方に注目している。

 物語の舞台は大陸の中央に位置するとある大国。花街で薬師として働いていた少女・猫猫(マオマオ)は、人さらいにあい、後宮の下女として売り飛ばされてしまった。薬師であることを隠し、大人しく年季明けを待とうと黙々と働く猫猫。だが、ある日、同僚から帝の御子たちが次々と命を落としているという噂を耳にした彼女は、薬学の知識を元にその原因をつきとめてしまう。そんな猫猫の活躍に目をつけたのは、人間離れした美貌をもつ宦官・壬氏。彼のはからいで帝の妃のひとり、玉葉妃つきの侍女に抜擢された猫猫は、毒見役となり、陰謀ひしめく後宮で引き起こされる事件の数々に立ち向かうことになる。

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 この作品を読んで、読書メーターユーザーたちはどんな感想を抱いたのだろうか。

たこい☆きよし
薬師のスキルを持った少女がたまたま拐かしに遭って後宮へ。使うつもりのなかったそのスキルが意外な形で生きることになり、ついには…。1章ごとに小ネタ的ミステリが盛り込まれつつ、全体通しての流れもしっかりあり、最後には後宮の全体像が浮かび上がる。薬学的ウンチクも設定された世界観の中で違和感なく、後宮や妓楼の本来の姿と、それを冷静にみるヒロインの(時に辛辣な)視点も盛り込まれ、納得感の高い作品世界。なるほど、これは面白い。

ほぉずき林檎
中世の中国(※)、後宮が舞台ということで当時の文化や風習、道徳感などを忠実に描写しつつ、ライトノベルらしいコミカルさも交えてとても読みやすい作品でした。後宮についてや文化的な知識が事前にあるとより内容に入り込みやすいですね。医学が現代ほど発展していない時代で無知ということがいかに命取りか身に染みました。

※編集部注:物語の公式な設定は、中世の東洋のとある大国です

セアカトカゲ
猫猫のドライな態度が僕は好きだ。 しかもそこそこ美人だということで、尚更ポイント高い。 仕事が出来るかっこいい女性でとても好きだなぁ

こまき
高校生の息子から勧められて読みました。薬師の猫猫が人攫いに連れられて、後宮で女官として働くうちに、様々な事件を解決していくお話。ライトな読み心地なので、ボリュームの割りにサクサク読めた印象。小さな事件をサラサラと解決するのは天晴れ! 読んでいて小気味良いです。猫猫のツンデレな感じは好きな人はたまらんでしょう。宦官の壬氏も可愛らしい(これまで抱いていた宦官のイメージとはちょっと異なるけど)。漫画になってるそうです。きっと映えますね。

サトコだよ
ついに読み始めてしまった。 これは面白い。 薬学の知識に長けた猫猫が後宮で起こる事件を解決していく様は痛快だ。 猫猫と壬氏の関係もどうなるのか気になる。 当分はこの世界にどっぷりはまれる気がする。

 ひとたびこの本を読めば、誰だって難事件を華麗に解決していく猫猫の活躍に魅了されるに違いない。壬氏との噛み合わないやりとりもたまらない。クールな薬師と食えない宦官が女の園で繰り広げる事件簿には、強い中毒性がある。読書メーターユーザーたちがハマったというのも納得。胸がすくような心地よいこのミステリー作品をあなたもぜひ体験してみてはいかがだろうか。

文=アサトーミナミ

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