「壁ペタ背中反らし」で腰痛・肩こりを劇的改善! “ゴッドハンド”トレーナーによる驚きの体の痛み解消法

健康・美容

公開日:2021/2/27

取れない疲れが一瞬で消える 神ストレッチ
『取れない疲れが一瞬で消える 神ストレッチ』(KADOKAWA/佐藤義人)

 新型コロナウイルス感染症の影響で在宅勤務などのテレワークが広がるなか、腰痛や肩こり、目の痛みなどを訴える人が増えているという。なかでも腰痛と肩こりに関しては、出社している人と比べ、テレワークの人は2〜3倍多くの人が悩みを抱えているという調査結果もあるほどだ。そんな方に手に取ってもらいたいのが『取れない疲れが一瞬で消える 神ストレッチ』(KADOKAWA/佐藤義人)だ。

 著者は、2015年9月に行われたラグビーワールドカップの南アフリカ戦で「史上最大の番狂わせ」を演じてみせたジャパンチームで専属トレーナーを務めた佐藤義人氏。ハードな大会を通じてただひとりの離脱者も出さない見事な手腕で、ヘッドコーチのエディー・ジョーンズ氏に「マジックハンド(魔法の手)」、選手たちからは「ゴッドハンド(神の手)」とよばれた人物だ。独自の知見から行う施術に対する注目度は高く、人気TV番組『世界一受けたい授業』にも出演。

 自身が営む治療院では、トップアスリートはもちろん、スポーツや格闘技に励む子供たちから体の各部位の痛みに悩むシニアまで、幅広い層にトレーニングや施術、リハビリ指導などを行っている。

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「取れない疲れが一瞬で消える」ことなんてあるはずがない。そう感じる方も少なくないだろう。だが著者によれば、「正しい姿勢、正しい筋肉の使い方ができるようになれば、体の痛みを解消することはもちろん、体の不調の予防や、日々の疲労回復にも効果が出る」という。ここでは、その一部を紹介していきたい。

腰痛・肩こり改善の第一歩は正しい姿勢を取り戻すこと

 そもそも腰痛や肩こりの原因は、いったいなんなのだろうか? 著者が大きな原因として挙げるのは、生活のなかで利便性が増し「体を正しく動かす機会が激減した」ことだ。

 ちょっと思い出してもらいたい。あなたは普段、どんな姿勢でデスクワークをしているだろうか? 腰や背中を丸め、顔を前に出してパソコンの画面を見つめている……、そんなことはないだろうか。これはもちろん、正しく体を動かせていないケース。こうした習慣が積み重なった結果、体のバランスが崩れ、そのどこかに痛みを生じてしまうのだという。

 でも、だからといって、やみくもにストレッチをするのも、それほど効果的ではないという。

 その理由は、筋肉はすべて伸ばせば(=ストレッチすれば)楽になるというものではなく、逆に縮めなければならない筋肉もあるから。そしてそれは、例えば太ももの前側に限ったとしても、「ここは伸ばしてもいいけれど、ここは縮めてほしい」という差があるほど微妙なものなのだという。

 では、腰痛や肩こりを改善するために、いったいどんなことをすればよいのだろうか?

 その第一歩となるのが、「正しい姿勢」づくりだ。そして、そのために必要なのが、普段適切に使われていない筋肉に、正しい使い方を思い出させ、きちんと動かせるようにするための「筋肉をしつける」という作業だ。だから本書では、痛気持ちいい程度に筋肉を伸ばす「ストレッチ」ではなく、ときにはある程度痛みをともなっても、本来、あるべき長さを筋肉に覚えさせる「動きづくり」=筋肉のしつけ法が紹介されている。

「壁ペタ背中反らし」で正しい姿勢をつくる!

 正しい姿勢をつくるために、最初にしつけなければならないのは、背中にある「多裂筋(たれつきん)」だという。これは腰椎のすぐ上の第12胸椎周辺にあり、頚椎部から始まり、仙椎部まで続く縦に長い筋肉。背筋の一部だが、体の深い位置にあるインナーマッスルで、背骨のポジションをキープするために働いている。この筋肉が動かなくなると、背中を反らせたり、その姿勢をキープすることができなくなってしまうほか、体をねじったり、腕を上げたりする上半身の動きにも制限がかかってしまうという。この多裂筋をしつけるためのストレッチが「壁ペタ背中反らし」だ。

取れない疲れが一瞬で消える 神ストレッチ

 壁に手のひらと胸、つま先をつけて立ち、壁に胸をつけたまま「背中を反らせる」ように意識して腰を落としていく。こんな単純な動きだが、実際にやってみると難易度が高く、自分の体がどれほど適切に動いていなかったかがわかるのではないだろうか。

 このストレッチによって多裂筋が使えるようになると、背筋をピンと伸ばした、つまり背骨が正しいポジションに維持された姿勢をつくることができるようになるという。そして、それが腰痛や肩こり、膝痛はもちろん、あらゆる不調に効いていく。

 本書では、この「壁ペタ背中反らし」のほか、足指をしっかり使えるようになるための「足指伸ばし」、肩こり解消・疲労回復に効く「上腕ねじり」など、数多くの動きづくり法が紹介されている。

 その一つひとつは、どれも自宅やオフィスでちょっとした時間を見つければ簡単に取り組めるもの。慢性的な腰痛や肩こりに悩んでいる方は、ぜひ本書を手に取り、正しい姿勢と正しい筋肉の使い方を身につけ、体の不調や日々の疲れを癒やしてもらいたい。

文=井上淳

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