Twitterで180万いいね! アホかわいい関西男子のおとぼけ日常コメディにほのぼのする!

マンガ

公開日:2021/3/5

ほっかほか!なにわリーマン
『ほっかほか!なにわリーマン』(新藤たそ/文藝春秋)

 Twitterで180万いいねを獲得! アホかわいい関西男子のおとぼけ日常コメディ『ほっかほか!なにわリーマン』(新藤たそ/文藝春秋)がついに書籍化された。「めっちゃ笑ってしまった」「なんだかデトックスできた気がする」「心がぽかぽかした」…。多くの人がこのマンガに癒され、ほのぼのとした気分になっているようだ。

 主人公は、大阪生まれ大阪育ちのサラリーマン・小林だいすけ。描かれるのは、本当に何気ない日常だ。通勤中に出会う犬や猫に元気をもらったり、朝、朝、キチンと髪型が決まったのに、突風や満員電車ですぐに崩れてしまったり、早く寝ようと思ってもふとんの中でスマホをいじって何時間も眠れなかったりなど、「あれ、これ私も経験あるかも?」と共感させられる話も多い。

 だが、この作品の魅力はそれだけではない。特に、だいすけと友人、会社の同僚・先輩たちとのやりとりは、とにかく笑わされてしまう。「こいつらアホやな…」と思わされると同時に、彼らの間にある確かな友情にほっこり温かい気持ちにさせられるのだ。

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 たとえば、ある休日、だいすけは気に入ったクツを見つけて購入しようとした。だが、彼に同行していた高校からの友人・村上は「まっ 待てぃ! 今買うときじゃあない」と慌て始める。

 そして、「あなたの誕生日にサプライズを…」なんてつぶやき始めるのだから、読者としてはもうそれだけで心が和んでしまう。おまけに、後日、村上はだいすけの誕生日までまだ2カ月もあるのに、誕生日を祝い始める。そして、「3カ月前から買っててはやく渡したすぎてうずいててん」なんて言いながら例のクツをプレゼントするのだ。もう~! なんなんだ、この羨ましすぎる関係は! こんな友人が私にもほしいものだと、思わずにはいられない。

 また別の日には、だいすけと村上は、混んでいる大阪駅で待ち合わせをし、なかなか会うことができずに2人して困惑する。どうにか会うことができると、思わず、ハグ…! 「もう会えないかと思った」「すごく怖かった…」と言い合う彼らの姿に吹き出したのは私だけではないだろう。

 この本の登場人物たちは、本当にみんな小学生のままのノリで暮らしている。村上の誕生日プレゼントを選ぶ際に、共通の友人・じゅんぺーは「どろだんご、かおりつき消しゴム、練り消し…」なんて候補を挙げるし、村上とじゅんぺーと3人で焼肉に行けば、「みんな飲みほのソフトドリンク何する?」とのだいすけの問いに、「牛タン」「牛タン」とのおとぼけ回答が返ってくる。思わず「アホか!」とツッコミを入れながら、そんなゆるさに癒されている自分にも気づく。

 歳を重ねていくにつれて、だんだんと昔の友だちと話が合わなくなったり、疎遠になってしまったりするのはよくあることだ。だからこそ、昔からの友だちと、とことんアホができる関係、それも、なんだかんだ互いを思い合う関係に尊さを感じるのかもしれない。私の周りにもだいすけとその仲間がいたらなぁ~。この本を読むと、そんなことを想像せずにはいられなくなるのだ。

 現在、アニメイトや一部書店、丸善ジュンク堂書店(関西地区一部)、とらのあな(関西地区一部)では、それぞれ先着順で単行本の購入特典があるというからますます見逃せない。「ギスギスした人間関係に疲れた…」という人は、「なにわリーマン」たちのズッコケな毎日を体感してみてはいかがだろうか。

文=アサトーミナミ

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