「まーた妹ものかぁ」となめてかかるなかれ。実は悶絶系小説です
公開日:2012/8/2
この中に1人、妹がいる!
ハード : PC/iPhone/iPad/Android | 発売元 : KADOKAWA / メディアファクトリー |
ジャンル:ライトノベル | 購入元:BOOK☆WALKER |
著者名:田口一 | 価格:450円 |
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なんだか最近、やたらと“妹”という漢字を目にする機会が多いよね。特にライトノベルやコミック売り場では。そんな具合ですので、今やすでにひとつのジャンルになった“妹”ものから、1冊ご紹介します。
“妹もの”の源流はたぶんPCゲームの『加奈』あたりになるのかな?まあ、元祖っていうのは探していくと際限ないものだが、少なくとも前世紀からあるのは確かなんだよな。そういう意味では、この『この中に1人、妹がいる!』なんて後発もいいところだよ。ちょっとやそっとじゃ目立てない。あっという間に新刊の海に沈んでしまっただろうね。
お約束としての、かわいい妹像を提供しなくてはならない。なおかつ、目新しさも持っていなくてはならない。そんな二律背反な要求にどう応えるのか、がおもしろいところ。
本作では、タイトルからも察することができるように、ミステリー小説っぽい演出というか設定でそんな要求に応えている。主人公は転入生で、周囲には好感度の高い女子が複数。そこまではありふれたハーレムものですよ。でもね、主人公が果たすべき目標は「結婚してもいいと思えるくらいの女の子と仲良くなること」と同時に、「腹違いの妹との恋愛は避けなければならない」というもの。
それでタイトルの通り、主人公の帝野くんには誰が本当の妹なのかは分からない、という状況なのだ。周囲にはかわいい女の子がいて、しかも向こうから迫ってくるのに、“妹”というジョーカーを引かないようにする。そんなジレンマを抱えて悶絶する帝野くんの悶絶具合を楽しむ小説ですよ。
とってもライトノベルらしい、サービスですな
しかも挿絵もバッチリですよ
スタミナ料理を食わされた帝野くんは…
お泊まりで悶絶するのでした