オタクなら共感の嵐…!“推しの結婚報告”に抱いた気持ちの正体もすっきり! 《推し活の教科書》

文芸・カルチャー

公開日:2021/3/22

人類にとって「推し」とは何なのか、イケメン俳優オタクの僕が本気出して考えてみた
『人類にとって「推し」とは何なのか、イケメン俳優オタクの僕が本気出して考えてみた』(横川良明/サンマーク出版)

 突然ですが、あなたには「推し」と呼べる存在はいますか?

 「推し」とは、自分にとって誰かに“推し”て薦めたくなるほどに大好きな人やモノ、キャラクターのこと。筆者にもたくさんの「推し」がいますが、彼らは時に仕事を頑張るパワーを与えてくれたり、疲れたときには極上の癒やしをもたらしてくれたりします。私と同じように推しに支えられている人も多いのではないでしょうか。

 推しがいる生活はとてもハッピーですが、それと同時に苦しみを感じることも少なくありません。ライブやイベントのチケットが“ご用意されなかったとき”は気持ちが沈むし、ブログのタイトルに「ご報告」と書かれていたときは「推しの身に何かあったのか」と更新通知を見ただけで胃痛がする……。良くも悪くも感情を揺さぶってくる推し、なんとも不思議な存在です。

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 そこでおすすめしたいのが、オタク必読の書『人類にとって「推し」とは何なのか、イケメン俳優オタクの僕が本気出して考えてみた』(横川良明/サンマーク出版)です。タイトルにある通り、男性俳優オタクの横川良明さんが我々人類にとって「推し」とは何か、そして推し活のなかで感じるさまざまな謎を言語化してくれています。

 たとえば、オタク友達と推しについて話す時間が楽しすぎる謎。仲の良い友人と好きなことについて話すのは、とても楽しい時間です。「そんなの楽しくて当たり前じゃん!」と思う人は多いでしょう。

 しかし横川さんは「こんなにも楽しく感じるのはなぜなのか」その理由を本気で考えて、こんな答えにたどり着いたそうです。

 「好きなものを語ること。愛のある言葉にふれること。それは、悪意と嫉妬とマウントが充満する現代社会における最高のデトックス。」

 SNSが身近になった今、他人の攻撃的な言葉や意見に触れる機会が増えています。また、会社や学校でも誰かと比較されたり、競争しなければならなかったりと息苦しさを感じることも多いでしょう。窮屈な現代社会だからこそ、オタク友達と推しを語る時間は最高に心地よく、そして尊く感じられるというわけです。

 本書には他にも、「推しのスキャンダルをどう乗り切るか」「推しの裸、見たいか見たくないか」など、オタクたちが長年感じていた「説明できなかった複雑な気持ち」を言語化しています。ちなみに筆者は、推しの結婚に関する本書の考察を読んだとき「推しが結婚したときに抱いた気持ちの正体はこれだったのか~」と、ようやく気持ちの整理がつきました。推しの結婚と折り合いがついていない人は、ぜひご一読ください。

 また「オタクが絶対にやってはならぬこと」に触れたページは、推しがいるすべてのオタクに読んでいただきたい「推し活における金言」が綴られています。

 本書は推しがいる人はもちろん、まだ運命の推しに出会えていない人にも、手にしてほしい一冊です。きっと「推しがいる生活」の楽しさや幸せを感じて、誰かに、何かに、熱中したいと思えるはずだから。

文=ますだポム子

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