狭い家でも「ゆとりある暮らし」は仕組みが9割

暮らし

公開日:2021/3/25

狭い家でも「ゆとりある暮らし」は仕組みが9割
『狭い家でも「ゆとりある暮らし」は仕組みが9割』(みくろママ/三笠書房)

 今よりほんの少し広い家に住めれば……。誰もが一度は、願うことかもしれません。でも現実はたやすくないもの。すぐに引っ越せるわけでもなく、しばらくは今のままで住み続けなければいけない人たちが多いはずです。

 それでも、今より快適な暮らしを手に入れたい。そんな人に読んでほしいのが『狭い家でも「ゆとりある暮らし」は仕組みが9割』(みくろママ/三笠書房)です。

無駄なモノが増えないよう“1軍”だけを揃える

 著者が暮らすのは、55平米で3LDKの賃貸アパート。それでも、旦那さんと小学生から高校生まで4人のお子さんと一緒に暮らしているというから、驚きです。

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 どれほど家が狭くても「工夫次第で『空間』のゆとり、『心』のゆとり、『時間』のゆとりを感じながら、快適に暮らすことは可能です」という著者の伝えるメソッドは、私たちの日常生活できっと役立ちます。

 例えば、毎日のように使うモノは「1軍的な存在」だけを選んでおくのが肝心。著者の自宅では、基本的な食器は家族の人数に合わせて6セットのみ、文房具を収納するケースにも「ボールペン2マジック1はさみ1」とラベルを貼り、無駄なモノが増えないように工夫しているといいます。

掃除の面倒くさい場所は先手を打って手間を省く!

 掃除に時間を取られるのは「本当にストレス」と、本音をつぶやく著者。共感する人たちも少なくないと思いますが、だからこそ意識しておきたいのが、掃除が面倒くさい場所に「先手」を打っておく方法です。

 例えば、洗濯機のホースまわりは、湿気のせいでホコリがこびりつきやすいやっかいな場所です。しかし、著者は洗濯機の購入時に、ホースへあらかじめラップを巻いて対策を打っていたそう。また、換気扇はホコリと油がからみ合うのを防ぐため、定期的にハケでホコリを払い落とすのを習慣づけているといいます。

 また、飾りモノなどをできる限り置かないのも、掃除の手間を省くコツとか。元々、掃除へ時間を取られないよう「狭い家」を選んだという著者の心得は、学んでみたくなります。

フリーデスクで子どもたちの集中力もアップ

 4人のお子さんがいると「学習机はどうしているんですか?」と聞かれることも多いといいます。そこで、限られた間取りを有効活用しようと、著者が採用したのが誰でも使える「フリーデスク」でした。

 3LDKの空間で、計4か所にフリーデスクを置いている著者。誰でも自由に利用できますが、1つだけの約束ごととして「使った後は公共施設のように机の上をキレイに戻すこと」を家族みんなで徹底しているそうです。

 狭い空間だからこそのメリットもあり、子どもたちが好きなモノを並べがちな学習机がないことで、かえって限られた時間で勉強に集中できる効果もあるといいます。

 ゆとりある生活は、家の広さではなく考え方や仕組みづくりがあってこそ。そう思わせてくれる本書を、今住んでいる環境にぜひ役立ててみてください。

文=青山悠

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