昔話「桃太郎」を漫☆画太郎先生が書いたらどうなる? 衝撃の内容で話題沸騰!

文芸・カルチャー

公開日:2021/3/26

ももたろう
『ももたろう』(ガタロー☆マン/誠文堂新光社)

 ちょっと変わった絵本が話題になっている。『ももたろう』(ガタロー☆マン/誠文堂新光社)だ。著者のガタロー☆マンという名前でピンとくるかもしれないが、著者は『珍遊記 -太郎とゆかいな仲間たち-』(集英社)などで知られるギャグ漫画家・漫☆画太郎先生だ。

 今回、名前を改めガタロー☆マンとして、子ども向けに「笑本(えほん)おかしばなし」シリーズの刊行をスタート。いったいどんな内容になっているのか……。おそるおそるページをめくってみると、やはり笑いの連続だった。

 ストーリーは、誰もが知っている「桃太郎」だ。「笑いどころなんてあったっけ?」と思うかもしれないが、先生の手にかかれば最高の“笑本”になる。最初から最後まで、インパクト絶大なビジュアルと、超ハイテンションで駆け抜けるのだ。「悲劇は喜劇に、喜劇は超喜劇に!」というシリーズのコンセプトの通り、ポジティブオーラ全開に仕上がっている。

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 言葉だけでこのおもしろさを説明するのはむずかしいので、ぜひ中身を見てもらいたい。もちろん、桃太郎なので始まりは「むかしむかし、あるところに」から。

ももたろう

 ふむふむ、絵はいつもの画太郎先生だ、と思いながら、ページをめくると……。

ももたろう

 まだ、おじいさんとおばあさんが登場しただけなのに、このハイテンションっぷり。マンガでも使われる見開きは、カラーでサイズの大きい絵本になるとさらに笑える。この後も、「桃太郎」おなじみの展開で「ました!!!」の連続。いってしまえばワンパターンなのだが、これがたまらなくクセになる。

ももたろう

 もう、次のページが見たくなっていないだろうか? ずっとこんな感じで進むから、オチがわかっているのに、早くページをめくりたくてしょうがない。

 また、キャラクターのデザインにも注目だ。ももたろう、さる、きじ、犬、そして鬼。“画太郎化”されるキャラクターたちは、見ているだけで楽しい。特に犬は、これでいいのだろうか。なにゆえサーファー……?

ももたろう

 そんな衝撃的なリメイクがされた『ももたろう』は、発売直後からすでに話題になっている。紀伊國屋書店 新宿本店の「絵本」ジャンルで、2020年12月に月間1位を獲得し、発売3カ月で早くも5万部を突破したそう。子どもがゲラゲラ笑うのは間違いないし、大人も落ち込んだ日に読めば元気をもらえる。あなたの家にも一冊、ガタロー☆マン版『ももたろう』、いかがですか?

文=中川凌(@ryo_nakagawa_7

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