ラストのモノローグに震えた…! 『恋と呼ぶには気持ち悪い』が堂々完結&アニメ放送も開始

マンガ

公開日:2021/4/5

恋と呼ぶには気持ち悪い8
『恋と呼ぶには気持ち悪い8』(もぐす/一迅社)

 オタク気質の女子高生と、ハイスペックなサラリーマンとの年の差ラブコメディ『恋と呼ぶには気持ち悪い』(もぐす/一迅社)の完結編第8巻が発売した。

「気持ち悪い」から始まった恋。天草亮(あまくさりょう)の一方通行な感情を、受け止めきれずにいた有馬一花(ありまいちか)。10歳差を乗り越えて、どのような大団円を迎えたのか……。少しずつ深まる二人の仲を見守ってきた読者を、けして裏切らないラストだと最初に書いておく。

 王道ラブコメ好きで、もし本作を知らなかった方は、この機会にぜひ全8巻を一気読みしてほしい。

advertisement

 発行部数は電子書籍を含めて累計120万部を突破。いよいよ2021年4月から待望のTVアニメの放送も始まる。それぞれの役を演じるのは、一花が小坂井祐莉絵、亮が豊永利行。なおアニメ版を盛り上げるPVも公開されているので、要チェックだ。

エリートイケメン会社員とJKは雨の日に出会い、物語が始まった

あの日
私があの人にしたことは後悔していない
でも
あの日
私があの人に言った言葉は
後悔している

 ある雨の日、駅の階段で転がり落ちそうになったイケメン会社員の天草亮は、女子高生・有馬一花に助けられる。彼女が亮の妹と同級生だったことで、その日のうちに再会。そこで彼は「感謝の意」として、いつも女性にしているような“クズ”なアプローチをするも、真面目な一花は彼に普通に言い放つ。

「気持ち悪い」

 だがそれが彼のハートに火をつけてしまう。

“今まで会ったことのなかった運命の女性”に一方的に恋に落ち、狂信的でギリギリでスレスレなアプローチを試みる亮。「怒ってもいいし、罵倒してもいいですから。俺、不快に思いませんから」などと言いつつ、直球すぎる愛情表現で一花を困惑させ続けた……最初のうちは。

 年の差というハードルを抱えながらも繰り広げられるコメディタッチの恋愛模様。それに加えて描かれたのが、表向きは「何でもデキる男」の亮が心に抱える親子の確執や、一花が高校生として普通に将来について悩む様子。そして二人にそれぞれ思いを寄せるキャラクターたちの恋心だ。自分や周囲の人びとと向きあい、亮と一花は人として成長していく。もちろん関係も少しずつ進展してきた。だがラストを飾る8巻にきて、うまくいきかけていた流れに暗雲が……?

はっきりさせる? 身を引く? ラストはあの場所で……

 キザで「気持ち悪い」ことを言ってきて、年も離れていて、一方的な愛情表現をぶつけてくる亮に、それでもいつしか好意を持つようになってきていた一花。

 だが亮はと言えば、だんだんと自分に向いてきた彼女の好意を感じ、我に返っていた。妹に“クズ”と言われていたほど女性関係が最悪で、あげく自己中心的に女子高校生につきまとってきた自分は、はたして一花にふさわしい大人といえるのだろうか?

 そうして一花は亮にちょっとした誘いを断られるようになり、避けられていると感じるようになり……。

 きっとこの8巻を読み終えた時、あなたは1巻を改めて読み返したくなるはずだ。いや、ぜひ読み返す準備を怠らないでいてほしい。

 なお『恋と呼ぶには気持ち悪い もぐす画集 Une Fleur』(一迅社)も最終巻と同時発売。美麗な描き下ろしイラスト&漫画も収録されているのでファンは要チェックだ。アニメも始まるこの春、『恋きも』からはまだまだ目が離せない。

文=古林恭

あわせて読みたい