友情と努力と勝利。『少年ジャンプ』のノリのエンターテインメント競技カルタ漫画

2012/2/2

ちはやふる(1)

ハード : PC/iPhone/Android 発売元 : 講談社
ジャンル:コミック 購入元:BookLive!
著者名:末次由紀 価格:432円

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百人一首を使った競技かるたを題材にした、スポ根少女マンガ。

千早から「かるたの神様」と尊敬されている寡黙で純朴な新(あらた)か、千早の幼なじみで不器用・ひねくれ者の太一、どちらとくっつくのか、という恋愛要素もさることながら、友情と努力で勝利を掴み取っていくというハラハラドキドキ要素の方がむしろメイン。『少年ジャンプ』に載っていそうなノリで、少女マンガなんて読んだことがないという男子にこそオススメしたい作品です。

競技かるたは「畳の上の格闘技」とも呼ばれ、集中力・瞬発力・持久力、そして気力のすべてをかけて挑みます。はじめは「かるたなんて…」と軽くみていた主人公がかるたにどんどんハマっていく様子と、読者の気持ちがシンクロします。

百人一首には、例えばはじまりが「ちぎりき…」と「ちぎりお…」の「ちぎり」のように、はじめの数文字が同じ札が存在します。「ちぎりき…」と「ちぎりお…」の場合は「き」と「お」が「決まり字」といって、そこまで読まれれば札を特定できます。

タイトル「ちはやふる」の由来になっている、在原業平朝臣の歌「ちはやぶる 神代も聞かず 龍田川 からくれなゐに 水くくるとは」。この決まり字は「ちはや」だと言って千早が教わる印象的なシーンがあり、ここから千早はかるたにのめり込み、自分の「本当の夢」を追い求めていくようになるのです。ちなみに、「ちはやふる」には「勢いが激しい様子」といった意味があります。

教育現場では、伝統教育の一貫で、子どもが郷土を愛せるようにしよう(郷土教育)、といった動きがあります。この一環で、いくつかの地方・地域で「ご当地かるた」が作られており、小学校の授業でも使われているところもあるようです。「ご当地かるた」にはその土地の名所や名産、有名な歴史上の人物などが描かれており、郷土のことを知り、親しみを抱きやすいようになっています。

古来から伝わるかるたの本当の魅力を知るのにも、純粋にスポ根マンガを楽しむためにも、本作はもってこいのタイトルだと思います。「サマーウォーズ」などのヒットでも有名なマッドハウスによるアニメーション制作で、日本テレビにて毎週火曜の深夜24:59から放送中です。ぜひ!

主人公・千早(ちはや)。小学6年生時点。夢は「姉がモデルで日本一になること」だったが、自分自身の「本当の夢」を見つける

初めてのかるたとの出会い

勢いでふすまに刺さるかるた。「か かるたって こんなのだっけ!?」

「からくれなゐに 水くくるとは」の、上の句のはじめ3文字は「ちはや」。千早の札

「取りたい もう一枚」。どんどんのめり込む

男子2人と組む白熱のチーム戦。かるたは一人で勝負するだけのものじゃない (C)末次由紀/講談社
※画面写真はeBookJapanのものです