心の専門家はさじ加減を間違えない!
公開日:2012/8/7
マンガで分かる心療内科 〈1〉
ハード : Windows/Mac/iPhone/iPad/Android | 発売元 : 少年画報社 |
ジャンル:コミック | 購入元:紀伊國屋書店Kinoppy |
著者名:ゆうきゆう | 価格:540円 |
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どのようにジャンルを説明したらいいのか、ちょっと考えていました。なかなかぴったりな言葉が見つからずにいたのですけどね。やっとみつけたのは、いわゆる小学生向け学習雑誌に載っていたような“解説漫画”ってやつです。毎回ひとつの学習テーマがあって、聞き手役の子どもと解説役の博士がやりとりをするような、ああいうやつ。本作も、聞き手役のあすなと、博士役の療の掛け合いが基本なので形式はそれであっていると思うのだが、実際に読むと漫画としての完成度が高いから本当に笑ってしまうよ。
扱うテーマはタイトルの通り、心療内科にまつわること。
と、いうのは簡単だけど実際はとても広範囲ですよ。今回電子版で読んだ1巻は主に“うつ”について扱っていますけどね。でも全巻通して読むと分かるけど、性的趣向から依存症などまで、飽きさせることなく常に新しいネタが新キャラとともに登場してどんどんと世界を広げていく。しかも、原作者は本物の精神科医だからベースのネタに嘘や妄想は混じっていない。その点では心理学系、あるいは精神科系の新書を読んでいるような、お得な気分が味わえたよ。新書ブームの裏には、読んでなにかを得たい。生活の役に立つものを読みたい。という気分が働いているとしたら、企画からして成功しているよなぁ。
でも漫画だから。軽々と読み進められて、読んでいて楽しいっていうのが1番大切だと思うのだ。その点でも本作は最高ランクをつけていいと思う。結構セリフは多い。当然、専門用語も。でも、さらっとした絵柄と相まって重さは感じなかった。ちょっと複雑な解説のあとには、大きめのコマでギャグが入っていてリーダビリティは良好。さすがは心の専門家ですね。ちなみに、原作者のゆうきゆう先生は大学時代漫研だったそうな。漫画のことをよく知っていて、さらに精神科医とくれば、そりゃ鬼に金棒だわな。
全編にわたって、かなりハイテンションです
緩急の付け方がうまいんだよなぁ
療の背後には作者を、そして読者自身をにおわせることで共感を得ていると思うのだ
漫画に挟むように、文章でのフォローがあります
専門用語とギャグはセットで、読みやすく笑える