ミニマリストでなくても「自分らしく、心地いい」ひとり暮らしをしたいなら

暮らし

公開日:2021/4/11

ラクに、すっきり、自分らしく 大人の小さなひとり暮らし
『ラクに、すっきり、自分らしく 大人の小さなひとり暮らし』(coyuki/主婦の友社)

 住まいをスッキリさせたり雰囲気を変えたりしたいけれど、本格的なDIYはハードルが高いし、賃貸物件だとできることが限られてしまう。そんな時に参考になりそうなのが『ラクに、すっきり、自分らしく 大人の小さなひとり暮らし』(coyuki/主婦の友社)だ。

 著者はブロガーで整理収納アドバイザーのcoyukiさん。娘さんの独立を機に賃貸のワンルームでひとり暮らしを開始した現在の住まいを紹介している。リビングの写真を見ると、スッキリとしてモノが少ない印象だが、ミニマリストを目指しているわけではなく、「自分らしく、心地いい」暮らしをモットーとしている。自分のこだわりたいモノは持ちつつ、厳選したモノを置き、スッキリ見せながらも使いやすい工夫が所々に凝らされている。ポイントは「来客仕様にできるワンルーム」とのことだが、ワンルームでそれが可能なのだろうか?

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デイベッド+マットレスで睡眠環境を確保

 それまではセミダブルのベッドを愛用していた著者だが、ワンルームにはさすがに存在感がありすぎるということで購入したのがデイベッドというタイプのソファ。大人ひとりが横になれるサイズだが、もう少し広々と寝たい時にはセミダブルのマットレスも使用している。マットレスや掛け布団はクローゼットに収納しており、家具も少ないので、ワンルームの部屋がリビングで寝室が他にあるような雰囲気だ。ワンルームだと、ベッドを置くかどうかで悩むことが多いが、このアイディアは参考になりそうだ。

収納場所の固定観念を捨てる

 本書で紹介されたアイディアの中で印象的なのが「収納場所」。収納するモノによって、「ここにしまうべき」という固定観念を抱きがちだが、このような考えを手放すことをcoyukiさんは提案する。彼女が住んでいるワンルームには、玄関から部屋までの通路に大きな収納スペースがあり、そこを幅広い用途で活用しているのだ。例えば、玄関にある収納には、靴だけでなく、カバンやストール、アクセサリーなど外出時に使うものから、水やトイレットペーパーといった日用品のストックまで置かれている。収納は扉を閉めてしまえば中は見えず、玄関からの通路に家具は置かずにスッキリと見せている。

大人の小さなひとり暮らし

お気に入りだけを厳選したインテリア

 スッキリとまとまりながらも、決して無機質ではない著者の部屋。それは、お気に入りのアイテムがインテリアとしてさまざまなところにちりばめられているからかもしれない。若い頃は方向性が定まらず、色々な雑貨を持っていたが、その多くを手放したそう。その結果、厳選されたモノだけが残り、それを生かそうとすることが、彼女にとっての「飾る」ことになっている。インテリアを整えようとする時、テイストに合わせて新たなものを置くことを考えがちだが、そうではなく、本当に持っていたいモノに絞れれば、見せ方次第で立派なインテリアになる。

大人の小さなひとり暮らし

 シンプルで洗練された雰囲気ながら、ホッとするような温かみも感じられる著者の部屋。収納も工夫されているし、お洒落な雑貨もあるが、根本にあるのは自分らしく心地いい暮らし。本書には、そんな暮らしのヒントが豊富に盛り込まれているので、これを機に、今よりもっと心地いい部屋づくりを始めてみたくなった。

文=松澤友子

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