身近なモノは1軍と2軍に分ける! 6人家族が狭い家で快適に暮らす目からうろこの整理術

暮らし

更新日:2021/4/11

狭い家でも「ゆとりある暮らし」は仕組みが9割
『狭い家でも「ゆとりある暮らし」は仕組みが9割』(みくろママ/三笠書房)

 家事や育児、仕事などで疲れ切り、部屋の片づけにまで手が回らない私たちにとって、SNSなどで見かける“ていねいな暮らし”は夢のまた夢…。だが、今よりも快適に暮らせる家は、ちょっとした「仕組み」によって、手に入れられるかもしれない。

 そう気づかせてくれるのが『狭い家でも「ゆとりある暮らし」は仕組みが9割』(みくろママ/三笠書房)。著者はさまざまなメディアで話題となっているみくろママさん。整理収納アドバイザー&子ども向け「お片づけ指導」のプロであるみくろママさんは4人の子を持ち、3DKの55平米賃貸アパートにて家族6人で生活中。

 コンパクトな今の家は、人が管理できるモノの量には限界があると痛感した末に選んだベストホーム。本書では、13回に及ぶ引っ越しやファストフード店でのマネジング経験を活かしたロジカルな家事術&整理テクを紹介している。

advertisement

身近なモノは1軍と2軍に分けよう

 狭い家でも快適に暮らすため、みくろママさんが心がけているのはモノを1軍と2軍に分類すること。毎日使うアイテムで日常生活がスムーズに進む分量は1軍、持ちすぎていると分かっていても手放せない分量を2軍とし、リビングには1軍のみを置いている。

 各部屋に持ち運ばれ、放置されやすい文具類は定期的にすべて出し、定量のみをキープしつつ、元の場所へ。この「リセットの習慣」で管理すれば、無駄な買い足しも起きない。

 ちなみに、モノの適量を2つの視点で決めているのもユニーク。例えば、タオルや下着類、日用品などはライフスタイルに合わせて数値化し、ストック。家族の人数や洗濯頻度、買い物の回数などを踏まえ、自分たちにとっての適量を見える化。

 その一方で、洋服や趣味のコレクションなど、心がときめくものはスペース内に収まれば好きなだけ持ってOKというルールに。実際、みくろママさんは家に家族全員分の洋服やバッグを収納する「ファミリークローゼット」を設け、買いすぎを防ぎつつ、オシャレを楽しんでいる。

 すべてのものを必要最低限にするのではなく、心のゆとりも大切にできるみくろママさんの整理術。これならストレスなく、憧れのスッキリ部屋へと近づけそうだ。

「おもちゃが散らかる問題」は専用スペースを設けることで解決!

 小さな子どもがいるとどうしても気になるのが、おもちゃの散らかり。我が子が遊んだ後、ため息をつきながらおもちゃを片づけているママさんやパパさんはきっと多いことだろう。こうした悩みは、おもちゃを増やしすぎない仕組みをつくることで解決できる。

 そのために大切なのは、おもちゃを置くスペースを設けること。専用スペースに置くおもちゃは全部出しても10分で片づけられる量に。ストップウォッチで計りながら、どれくらいの量ならば10分で部屋をリセットできるのかを子どもと共に探ってみよう。

 部屋のリセットはご飯を食べる前と学校(会社)に行く前、寝る前のタイミングで行うのがおすすめ。こうした仕組みをつくれば、我が子がおもちゃを散らかしてもイライラしにくくなる。

 また、あたらしいおもちゃを購入する時には話し合ってスペースを空けるようにしていくと、我が子に整理力がつく。大切なおもちゃを自分で選び抜くことが子どもにとって重要な経験になる。ただ捨てるのではなく、必要なものを選びとることに重きを置くみくろママさんの整理術は子どもの心に寄り添う温かいものだ。

“目指すのは「家事の時間を短くする(時短)」ことだけではありません。「人生の中で大切にしたいことに費やす時間を産み出す(時産)」家事(=時産家事)です。”

 そんなみくろママさんの言葉を目にすると、生き方も見つめ直したくなる。

 本書には収納術以外にも、24時間すべての部屋をフル活用する空間の活かし方や子どものやる気を育てるお手伝いの仕組みづくりなども紹介されているので、そちらもチェックしつつ、「時産」できる暮らしをぜひ手に入れてみてほしい。

文=古川諭香

あわせて読みたい