あの「学研の図鑑」に「スーパー戦隊」がラインナップ! 「スーパー戦隊」シリーズ45年の歴史を親子で学ぼう

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公開日:2021/5/30

スーパー戦隊 (学研の図鑑)
『スーパー戦隊 (学研の図鑑)』(東映株式会社:監修、松井大:監修/学研プラス)

 幼い頃──特に男子なら、いわゆる「スーパー戦隊」シリーズを一度は観たことがあるのではないだろうか。このシリーズは1975年に放送された『秘密戦隊ゴレンジャー』から始まって、今年の『機界戦隊ゼンカイジャー』で45作目を数える。これほどの長きに亘り、一度の中断もなくシリーズが作り続けられるのは非常に稀であり、このシリーズがいかに日本国民にとって「定番」であるかを物語っている。だからこそ、あの子供向け図鑑の「定番」である「学研の図鑑」のラインナップに連なることができたのだ。『スーパー戦隊 (学研の図鑑)』(東映株式会社:監修、松井大、監修/学研プラス)には、これまで放送されてきた「スーパー戦隊」のあらゆる知識が詰まっている。

 本書の「図鑑」としての特徴を挙げるならば、それは「カテゴライズ」であろうか。基本的に、いわゆる特撮番組として「スーパー戦隊」を扱う場合、おそらく放送順に戦隊を紹介するはずだ。しかしこの図鑑では、スーパー戦隊を「6つのグループ」に分類して解説している。つまり放送順ではなく、分類されたグループごとに紹介されているのだ。ではどのようなグループに、どんな戦隊がカテゴライズされているのか代表的なものを見てみよう。

世界組織のスーパー戦隊

 地球に危機が迫ったとき、国や人種、立場を超えて、地球規模の安全保障を実現するために生み出された組織。世界各地で精鋭部隊がさまざまな脅威に立ち向かっていくのだ。

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・代表的なスーパー戦隊:秘密戦隊ゴレンジャー、ジャッカー電撃隊、バトルフィーバーJなど

民間組織のスーパー戦隊

 愛する人々や平和を守りたいという想いから、民間の天才科学者や民間財団などによって生み出された組織。危険な敵の存在を知る人々が、それぞれの使命感によって戦いに赴くのだ。

・代表的なスーパー戦隊:大戦隊ゴーグルV、科学戦隊ダイナマン、光戦隊マスクマンなど

伝統組織のスーパー戦隊

 一族や流派など、長い歴史の中で連綿と受け継がれてきた組織。生まれながらにして戦うことを宿命づけられた者たちも多く、時に迷い、時に立ち止まりながらも新たな伝統を次代へ受け継いでいくのだ。

・代表的なスーパー戦隊:忍者戦隊カクレンジャー、忍風戦隊ハリケンジャー、侍戦隊シンケンジャーなど

古代組織のスーパー戦隊

 地球が誕生して以来、地上では恐竜や妖精、超古代人たちが主役だった時代があった。そして少なくとも1億7000万年前からスーパー戦隊は存在し、邪悪な敵と戦いを繰り広げていたのだ。

・代表的なスーパー戦隊:恐竜戦隊ジュウレンジャー、爆竜戦隊アバレンジャー、獣電戦隊キョウリュウジャーなど

超自然、異世界からのスーパー戦隊

 この世界は目に見えるものだけがすべてではない。天空には「マジトピア」があり、「マシンワールド」などの異世界も存在する。そんな世界に加え、森羅万象のエネルギーなど超自然の力を借りて戦うスーパー戦隊もあるのだ。

・代表的なスーパー戦隊:五星戦隊ダイレンジャー、魔法戦隊マジレンジャー、炎神戦隊ゴーオンジャーなど

宇宙由来のスーパー戦隊

 青く美しい星・地球は、たびたび異星人からの侵略を受けてきた。そしてその危機に対し、救いの手を差し伸べてくれる異星人もまた存在したのである。宇宙由来の力を手に、スーパー戦隊は邪悪な侵略者と戦ったのだ。

・代表的なスーパー戦隊:電子戦隊デンジマン、海賊戦隊ゴーカイジャー、宇宙戦隊キュウレンジャーなど

 45年とひとくちにいっても、その長さはひとりの人間を大人へと変えるものだ。ゆえにかつてスーパー戦隊シリーズを楽しんだ子供が、現在は人の親となっていることもあるだろう。では大人となった今、シリーズが楽しめないのかといえば、決してそんなことはない。今やスーパー戦隊シリーズは「若手俳優の登竜門」となっている。例えば人気俳優の松坂桃李や千葉雄大、志尊淳などは戦隊出身者だ。この図鑑には「素顔の戦士たち」は紹介されていないが、それはぜひ、子供たちと共に本放送で楽しんでもらいたい。それが戦隊ものを見続けてきた者の、ささやかな願いである。

文=木谷誠

 

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