東電国有化のプロセスを知ろう!

公開日:2012/8/17

国有東電の軌跡 巨大企業 再生へ 政官民バトル

ハード : Windows/Mac/iPhone/iPad/Android/Reader 発売元 : 日本経済新聞社
ジャンル:ビジネス・社会・経済 購入元:紀伊國屋書店Kinoppy
著者名:日本経済新聞社 価格:616円

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今エネルギーの基本計画についての討論がされています。そのやり方や内容をめぐっていろいろな議論がありますが、そもそも今回の震災まで、エネルギーについて広く議論をすることは、ほとんどなかったように思われます。

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1部の専門家の間でCO2の排出権に関して議論は進んでいましたが、それも原発が稼働すればCO2の排出が火力などに頼ることと比較すると減るので原発が稼働することが前提でした。今回の震災で、エネルギーをどうするのか、原発をどうするか、電力会社のあり方はなど、国民ひとりひとりがこの難しい問題に対して考え、発言するようになり、また、多くのメディアでも取り上げられ、様々な場面で耳にするようになったと思います。

しかし、問題は決して単純なことではありません。この本では、日経の記者が取材した東電が国有化されるまでの過程、再生へのステップなどが書かれています。民主党の仙石由人政調会長代行(当時)と東電の勝俣恒久会長(当時)のやりとりなどは大変リアリズムがあります。

また、なぜ電力が選べないのか、公的資金の返済のメドなどについても取材してあり、一橋大学の橘川武郎先生、学習院大学の八田達夫先生が東電再生への課題を指摘されています。エネルギー施策には政治の影響が大きいですし、これから東京電力がどうなるかは日々電力を使い続ける以上大切な課題です。決して他人ごとではありません。電力問題を自分の問題として考える際に一読をおすすめします。


東電の国有化からドキュメントで追っています

国有化にはいろいろ議論がありました

まさに政治!ですね

現在のスキームに落ち着く間にも、専門家の間でいろいろ意見が割れました