見かけのいい収納が自分に合うとは限らない! 家族と探す、自宅にピッタリの「片づけ」法

暮らし

公開日:2021/5/26

わたしに合った「片づけ」ができる仕組みづくり
『わたしに合った「片づけ」ができる仕組みづくり』(中里ひろこ/講談社)

 コロナ禍で自宅にいる時間が増え、家での暮らしをもっと快適にしたいという思いが強くなってきた。だが、部屋は散らかってばかり。どうすれば、もっと暮らしやすい家になるのだろうか。片づけ上手になって、スッキリとした家で生活してみたいものだが、なかなか難しい。

『わたしに合った「片づけ」ができる仕組みづくり』(中里ひろこ/講談社)は、片づけが苦手な人にこそ読んでほしい1冊。著者の中里さんは3人の男の子のお母さん。かつては、片づかない部屋にイライラしていたというが、思考から始める片づけ術「ライフオーガナイズ」との出合いによって、自分と家族がストレスなく片づけられる収納を考えられるようになったのだという。本書では、中里さんが快適な住まいを実現するための方法を紹介。あなたの部屋を片づけるヒントとなるに違いない本なのだ。

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見かけのいい収納が自分に合うとは限らない

 もし、あなたが散らかってばかりの部屋に悩んでいるのだとしたら、それは、「思考の整理」ができていないせいかもしれない。

「思考の整理」とは、どんな暮らしを送りたいかという考えを整理すること。ライフオーガナイズの片づけでは、「モノ」よりも「人」を最優先に考える。雑誌などの「片づけ特集」の画像をみると、そこには人影や生活感がないことが多いが、片づけとは本来、自分や家族の暮らしを整えるためのものであるはず。「自分にとってどのような生活が理想なのか」を考えながら、家族にも何度も質問してみよう。自分勝手な理想を押し付けるのではなく、そこで暮らす人にとっての暮らしやすさを大切にして家の仕組みを考えることが、片づけをするために最も大切なことなのだ。

モノが増える理由に気づき、対策を考える

 家をラクに片づけられるようにするためには、自分や家族の思考や感情、行動の癖を知ることが重要だ。

 たとえば、家が片づかない一番の理由は、モノの量が多すぎること。どうして家にモノが多いのかを考えてみよう。買い物好きな人は、1週間、急ぎ以外の買い物をやめてみる。無意識に購入しているモノに気づいたり、どんな時に買い物に行きたくなるかという観察ができ、対応策を考えることができるだろう。

「分ける」「収める」「見直す」

 自分や家族の「思考の整理」ができてきたら、モノの整理・収納について考えてみよう。

 まずは家の中にあるモノを把握するために、全て出して確認してみる。大切なのは、「なぜ必要で、持つのか」という理由を意識すること。この理由を普段から意識するようになると、「わたし」を主語に「モノ」の持ち方を考えられるようになるという。

 必要なもの、必要でないものを分けたら、今度はモノを「収める」。

 家族に片づけるのが苦手な人がいるなら、その人の目線で、取り出しやすく戻しやすい高さ・場所を考えてみよう。そして、その収納が上手くいっているかを「見直す」。上手く片づかないならば、そこには何か原因がある。たとえば、片づけるためには、「元の場所に戻す」「収める」という2つの行動があるが、「元の場所にはもっていくけど、収めるのが苦手」とか「元の場所にもっていくこと自体、面倒」など原因を追求できるはずだ。

わたしに合った「片づけ」ができる仕組みづくり p.57

わたしに合った「片づけ」ができる仕組みづくり p.69

わたしに合った「片づけ」ができる仕組みづくり p.100-101

 本書では、中里さんのご自宅の写真がたくさん紹介され、「こんな風に収納すればいいのか」という気づきをくれたり、「こういう家にしたいな」という憧れも感じさせられる。中里さんが快適な住まいづくりを実現したように、あなたも、この本を参考に、理想の住まい、理想の片づけ法を探してみてはいかがだろうか。

文=アサトーミナミ

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