姿勢をよくしようと努力するほど、姿勢は悪くなる!? 姿勢改善に役立つ“魔法のフレーズ”とは?

健康・美容

公開日:2021/6/15

魔法のフレーズをとなえるだけで姿勢がよくなるすごい本
『魔法のフレーズをとなえるだけで姿勢がよくなるすごい本』(大橋しん/飛鳥新社)

 「姿勢がよくしよう!」と、頑張って体をまっすぐさせても、すぐ疲れて“ねこ背”に戻ってしまいがち。そんな中、たった一言“魔法のフレーズ”を頭の中でつぶやけば、体を整えられるとするのが『魔法のフレーズをとなえるだけで姿勢がよくなるすごい本』(大橋しん/飛鳥新社)だ。

 なぜ、“魔法のフレーズ”をとなえるだけで姿勢が改善されるのか。そもそも姿勢が崩れる原因は、日々の生活で心身が緊張し、こり固まっているから。ねこ背になっていて、「背筋をピンと伸ばしなさい」と言われた経験はないだろうか。このように、心身の緊張が原因でなってしまった悪い姿勢を正そうと、さらに緊張を加えても逆効果でしかないという。“魔法のフレーズ”をとなえることでイメージが湧き、感覚的に緊張をふんわりとほぐしていくことができるのだそう。

 本書で紹介されているのは、いたって簡単な方法ばかり。実践すれば「『ふんわり』とゆらいだままで、『しっかり』と骨で立つ」という理想的な姿勢はもちろん、毎日に疲れた人も「『頑張らない』『疲れない』生き方」を手に入れられるという。

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悩みごとや考えごとで頭が重たいときは「小舟」と「さざ波」を想像

 人間の頭は想像以上に重い。本書によると、全身の「10%ほどの重量」がある。例えば、70キロの人であれば7キロで、500ミリリットルのペットボトルであれば14本分に匹敵。頭を支えきれないと「姿勢の崩れ」や「さまざまな不調」に悩まされる可能性もある。

 それを解消するために覚えておきたいのが、本書にある「頭の中で小舟が静かにゆれています。」というフレーズだ。

魔法のフレーズをとなえるだけで姿勢がよくなるすごい本

 悩みごとや考えごとをしているとき、眉間にしわを寄せてしまうなど、頭はふだんから何かと緊張しやすい部位でもある。そのためにも役立つのがこのフレーズ。頭の中にある小舟がさざ波にふわふわ揺られているイメージを持てば、頭を支える首の筋肉も自然とゆるみ、まっすぐに全身を保てるはずだ。

雪解けをイメージして“首回り”の負担を解消

 首から肩にかけては、とりわけ体の不調を感じやすい部位だ。理学療法士の著者は、これまでの経験から「自覚のない方も含めて9割以上の方は無意識のうちに首回りが緊張していました」と述べるが、首や肩のこりを常に感じてしまい、日々の生活が何だかかったるいと思う人たちもいるだろう。

 そんな人たちに紹介したいのが、本書の「春、アルプスの雪がとけるように、両肩がゆっくり離れていきます。」という首回りへの意識を変えるフレーズだ。

魔法のフレーズをとなえるだけで姿勢がよくなるすごい本

 左右の肩を中心からそれぞれ離すように、このフレーズをとなえながら首から肩にかけての力を抜いてみる。頭の中でイメージするのは、暖かくなった春に少しずつとけていく山々の雪。しっかりと想像すれば、緊張から縮こまっていた首回りの筋肉もほぐれ、自然にちゃんとした姿勢ですっと立てるようになるそう。

腰から足にかけて「大きな砂時計」をイメージする

 足に負担がかかると辛い症状があらわれる。日常的に歩いたり走ったりするのがしんどくなり、ひいては、きちんと歩けなくなると腰痛などの原因にもなりうる。特に、ひざはケアするべき部位だという。本書によると、ひざは「ロックしてしまいやすい部位」であり、姿勢を保つためには「ゆるめすぎ」もよくないので、バランスよくケアしなければならないという。

 そこで役立つのが本書の「足に沿って、砂時計の砂がまっすぐ落ちていきます。」というフレーズである。

魔法のフレーズをとなえるだけで姿勢がよくなるすごい本

 頭の中でイメージするのは、腰のあたりから足元にかけてが「大きな砂時計」になっている“絵”だ。「腰から太もも、ひざ、足裏へと、その砂がまっすぐ落ちていく様子」を思い描く。さらに、砂が足元に溜まっていく様子もイメージできれば、自然と体の重みもまっすぐ足元へ落ちていき、全身のまっすぐな位置を探れる。ちなみに、この方法は立ったままの姿勢で想像するのが大切だ。

 この他にも、姿勢に役立つ“魔法のフレーズ”が紹介されている本書。筆者も実際に試してみたが、本を読みながらというより、いったん頭の中に言葉をインプットしてから実践すると体になじんでくる感覚があった。姿勢がよくなれば、後ろ向きだった気持ちも変わってくるはず。その感覚を、ぜひ試してみてほしい。

文=カネコシュウヘイ

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