英会話は筋トレと同じ!?  厳選した100例文を反復して体に刷り込ませるだけの「英会話本」

暮らし

公開日:2021/6/18

英会話は筋トレ。 中2レベルの100例文だけ! 1か月で英語がスラスラしゃべれる。
『英会話は筋トレ。 中2レベルの100例文だけ! 1か月で英語がスラスラしゃべれる。』(船橋由紀子/かんき出版)

 今年こそ、英語を話せるようになりたい……。そう思い、スマホの学習アプリや市販の教材に頼っても結局毎回、挫折してしまっているという人はきっと多いはず。

 しかし、そんな悪循環は、なんともユニークな学習法を記した『英会話は筋トレ。 中2レベルの100例文だけ! 1か月で英語がスラスラしゃべれる。』(船橋由紀子/かんき出版)を手に取ることで、断ち切ることができるかもしれない。

 著者である船橋由紀子氏は英語学習コーチとして11年間で4500人以上の英会話力アップやTOEICスコアアップのサポートに勤しむ傍ら、筋トレ愛好者としてボディメイクをしつつ、美ボディコンテストへの出場も果たしてきた。

 そうした中で気づいたのが、英会話習得の最短ルートは、筋トレと同様に同じことの反復であるということ。簡単にスラスラ英語を話せるようになるには、たくさんの英文と触れ合うよりも、厳選した100程度の例文を反復して体に刷り込むほうが効果的と感じたとか。

 そこで本書では選び抜いた100例文を用い、良質なトレーニングを伝授。1カ月で英語が話せるようになる反復法を紹介している。

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「基礎トレーニング」で100例文を自分のものに!

 一般的な英会話本に掲載されている例文は、複雑に感じられることも多いもの。しかし、本書に登場する100例文は全て中学1~2年生レベル。ジョークを交えたイラストも添えられているため、記憶に残りやすい。

 また、基礎をしっかり理解することで日本語を話している時のように、文法などを気にせず喋れる状態(自動化)になれるよう、HeやSheから始める例文はあえて省き、使用頻度が高いIやYou、Itから始まる英文をピックアップ。書籍には音声をダウンロードできるバーコードが記載されているため、正しい発音も身につく。

 船橋氏が勧めるトレーニング法は、「基礎トレーニング」「実用化トレーニング」「仕上げトレーニング」の3ステップ。中でも印象的だったのが、100例文を自分のものにできる「基礎トレーニング」。

 このトレーニングでは意識の置きどころを変えながら、4つのLessonにチャレンジする。Lesson 1では「構文」、Lesson 2では「イメージ」、Lesson 3では「発音」にフォーカスしながら解説を読み、音読(各1分間)した後、例文をベースに3分で「自分事」の英文を作成するLesson 4を行い、置き換え表現を習得していく。

 例えば、Can I have the last cookie? という例文の場合なら、まずは構文にフォーカスし「Can I 動詞の原形〜?」が身近な相手に許可を取る表現になることを理解。その後、イメージに着目しながら、丁寧な印象をプラスしたい時には、語尾にpleaseをつける点を押さえる。そして、Can I は一息で繋げ、「キャナイ」と発音するとネイティブ感が出ることを学習し、自分ごとの文を作っていくのだ。

 ちなみに各例文には5つの置き換え例が用意されているので、自力で英文を考えることが難しい人でも安心。

 本書内では、なぜこの基礎トレーニングが効率的なのかも詳しく解説されているので、そちらにも目を向けながら基本を学んでみてほしい。

英会話は「一人しゃべり」でも身につく

 英会話は誰かと話さなければ上達しない。そんなイメージを持っている人も多いのではないだろうか。しかし、船橋氏いわく、誰かと会話するシーンを想像して話す「リハーサル」をするだけでも、言葉の習得は進むのだそう。

 そのため、船橋氏は基礎トレーニング後には、誰かと実際に会話しそうな7つの「一人しゃべり用トピック」を用いて「実用化トレーニング」をしようと提唱。このトレーニングでは、それぞれのトピックに掲載されている、100例文をアレンジしたサンプル文を参考にしながら、話す内容を自分で考えていく。

 なお、話した後には2分間の振り返りタイムを設けるのがポイント。この一工夫こそが、今あるものだけで喋り倒す力をアップさせてくれるのだそう。また、振り返り後にはネタ帳を作るような感覚で、話した内容を3分で書き起こすことも大切なのだとか。

「実用化トレーニング」には、他にも意識すべきポイントがたくさん。集大成となる「仕上げトレーニング」と共に、ぜひチェックしてみてほしい。

 目からウロコな英語の学習法――。それを知ったあなたは1カ月後、「英会話力」というとっておきの武器を手に入れている……かもしれない!

文=古川諭香

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